海外武者修行(弘前大学当時 2019)

概要

弘前大学理工学研究科および医学研究科の大学院生から構成されるチームを編成し,事前準備で,日本および米国の医療機器産業の特徴や人材輩出を担う大学の教育カリキュラム,医工学研究者・技術者のキャリアについて調べた上で,実際に現地の大学(University of Minnesota, Harvard Medical school)を訪問する,ミネソタ大学では,ミネソタ地域におけるローカルな産学連携とグローバルな市場展開について学ぶ. Harvard Medical School では神経科学および医用手術ロボットの研究室を見学し,我々の研究のセミナートークと合わせて医工連携についてディスカッションする.また,当地で開催されている国際会議 ・展示会 Material Research Society Fall Meeting に参加し,再生医療や生体インタフェースなどの医用材料についての最新動向を収集する.

目標

将来研究者を志す学生がトップレベルの研究者に触れ,世界の中の研究者として早期に自覚すると共に,自身の存在や研究を直接アピールし将来の研究ネットワーク形成の第一歩とする.

 活動内容報告

8月.メンバーが決まる.多くのラボを訪問しやすいようにホテル,航空券の手配.日程調整.パスポート,クレジットカードの取得.

9月.アポをとる研究者を論文を読み込み探す.Harvard,MIT,Boston Univ. 周辺のPIが書いた論文を読み,興味のある研究者と研究を見つける.

先方のprofessorにアポイントを取るため,自身の研究を紹介するresearch interest,CVなどを作成し,ボストン周辺の研究者へコンタクトを取った.メンバー自ら電子メールをprofessorたちへ送り,コンタクトをとる.メンバーそれぞれの研究分野に合わせ各々3名程度のprofessorを選び,ラボツアーとshort talk seminarを依頼する電子メールを各自送付し,コンタクトを試みた.返事が頂けない場合やスケジュールが合わないこともあったが,幾人かは好意的な返事を頂けた.メールには先に作成したCVを添付し,professorのリクエストに応じて適宜 research interestなどの資料を送付しながらメールの遣り取りをしながら,最終的に5名の先生方にアポイントを頂くことができた.

8-9月頃.渡航資金を民間財団の海外渡航・研修助成を探し,申請書の作成・申請する.締め切りに注意.

10月頃.15分程度で研究プロジェクトのアイディアと成果を紹介するスライドを作成し,short talkの準備.メンバーの中には,学内のイングリッシュ ラウンジやネット英会話などを活用して,ディスカッションに備える.

11月.訪問するlabの研究プロジェクトや基盤技術について,各labのpublish listから複数の論文をピックアップし勉強会.予備知識を蓄える.旅のしおり作成.


 医療機器開発における医工連携の重要度と連携の深さを理解し,医療機器開発のプロセスを学ぶことを目的とし,自ら世界トップレベルの研究者にコンタクトをとり,一研究者として研究交流(セミナートークやディスカッション)を行い,最先端の研究の調査を行った. 

   トップ研究者,研究機関との研究交流の糸口が得られ,訪問先との研究連携のオファーや具体的な人材派遣について話し合い,研究交流の深化に関して進展があった.さらに,最先端の研究室及び研究動向を把握することで、我々を取り巻く将来の機械技術の需要を知り、各々がそれぞれの医療機器開発及び医用工学研究,臨床研究の糧に自身研究を大きく高める機会となった。これらのことから,今回の目的である医工連携に関する実態の 調査及び自身の研究を共有し,ディスカッションを通して向上するという目的が達成できたと考えている. 今後は、今回の事業で得た経験を生かして、医工連携に係る研究を強化するとともに、医工連携に関わる研究キャリアの開拓をし,研究者(博士後期課程進学もしくは、企業の研究者)や医療に携わる者として,世界に通用するような医療機器開発に携わることを開拓していく.        

Dr. Okubo, Harvard Medical School 訪問

トロント大学前にて

Minnesota大学Medical Device Center でのWork Shopの様子

Prof. Brian Anthony, Device Realization Lab, MIT 

Prof. Mary L Bouxsein, Bouxsein Lab, Harvard Medical School でのセミナートーク