[1] Abdulkadiroglu and Sonmez (2003) "School Choice: A Mechanism Design Approach"
by Atila Abdulkadiroglu and Tayfun Sonmez American Economic Review, 93 (3), 729-747. 学校選択制度に初めて理論的な光を当てたパイオニア論文です。彼らのアイデアの新規性は、既にエスタブリッシュされたマッチング理論(Two-sided Matching) の成果が学校選択制度にも応用できることを明らかにした、という点です。この分野でその後中心的な役割を占めるようになる、(旧来行われてきた制度である)「ボストン・メカニズム」と、理論的に望ましさが知られていた「トップ・トレーディング・サイクル(TTC)」「ゲイル=シャプレー・アルゴリズム」の3者の解説と理論的な性質がコンパクトにまとめられています。あまりテクニカルな論文ではないので、是非多くの方にご覧いただけれたばと思います。 [2] Abdulkadiroglu et al (2005a) "The New York City High School Match"
by Abdulkadiroglu, Pathak and Roth American Economic Review P&P, 95 (2), 364-367. ニューヨーク市で実際に採用されていた学校選択制度の分析と制度改革への提言がコンパクトにまとめられています。[1]の理論的な背景を踏まえて読むと論点がクリアになるでしょう。わずか4ページなのでケース・スタディとして多くの方に読んで頂ければと思います。ニューヨーク市ではその後著者らの提案に基づき、実際に学校選択制度を変更しました。その過程を紹介した本論文は実務家、理論家の双方にとって非常に参考になる記録です。 [3] Abdulkadiroglu et al (2005b) "The Boston Public School Match"
by Abdulkadiroglu, Pathak, Roth and Sonmez American Economic Review P&P, 95 (2), 368-371. ボストン市で実際に採用されていた学校選択制度の分析と制度改革への提言がコンパクトにまとめられています。2と同様わずか4ページなのでケース・スタディとして多くの方に読んで頂ければと思います。ボストン市でも著者らの提案に基づき、実際に学校選択制度が変更されました。その過程を紹介した本論文は実務家、理論家の双方にとって非常に参考になる記録です。 [4] Abdulkadiroglu et al (2006) "Changing the Boston School Choice Mechanism: Strategy-Proofness as Equal Access"
by Abdulkadiroglu, Pathak, Roth and Sonmez Manuscript ボストン市では著者達の提案に基づき、2005年度より学校選択制度を旧来の「ボストン・メカニズム」から新しく「ゲイル=シャプレー・メカニズム」に変更しました。その制度変更後に生じた変化をデータ&アンケートを元に分析したのが本論文です。新メカニズムの特徴であるStrategy-Proofness(各学生が申告する学校のランキングを戦略的に操作しても得できない、という性質)の利点に特に焦点を当てた分析となっています。親御さんの生の声も一部掲載されており参考になります。 [5] Chen and Sonmez (2006) "School Choice: An Experimental Study"
by Chen and Sonmez Journal of Economic Theory, 127 (1), 202-231. 学校選択制度に関する実験論文その1。[1]で取り上げられた「ボストン・メカニズム」「TTC」「ゲイル・シャプレー」の3つのメカニズムのパフーマンスを比較しています。特にマッチング結果の効率性、およびどの程度の割合の学生が正直に真のランキングを提出したかに注目しています。学校選択制の実験をデザインする上で参考となる基本研究です。 [6] Pais and Pinter (2008) "School Choice and Information: An Experimental Study on Matching Mechanisms"
by Pais and Pinter Games and Economic Behavior, 64 (1), 303-328. 学校選択制度に関する実験論文その2。[5]と同じく「ボストン・メカニズム」「TTC」「ゲイル=シャプレー」の3者を実験によって比較しています。他人の選好に関してどの程度の情報を各プレイヤーが知っているか、という「情報に関する条件」を様々にコントロールしている点が特徴的です。[5]の結果と合わせて参考にしたい研究です。 [7] Abdulkadiroglu et al (2008) "Strategy-proofness versus Efficiency in Matching with Indifferences: Redesigning the NYC High School Match"
by Abdulkadiroglu, Pathak and Roth Manuscript ニューヨークで行った制度変更について詳細に論じています。特に学生間の優先順位をどのようにランダムに決定するか―タイ・ブレーキングの方法をどうするか―について理論的な視点が述べられています。やや難解な箇所も多いのでじっくりと読んで行く必要があります。 [8] Gale and Shapley (1962) "College Admissions and the Stability of Marriage"
by Gale and Shapley American Mathematical Monthly, 69 (1), 9-15. 学校選択制をはじめ、いわゆる「マッチング問題」に関する理論的分析を切り開いた記念碑的論文です。 望ましいマッチングを達成するための具体的なメカニズムである「Deffered Acceptance (DA) Algorithm」(ゲイル=シャプレー・メカニズム)という方法を提示し、そのメカニズムを用いながらマッチングに関する重要な性質のいくつかを明らかにしています。 [9] Erdil and Ergin (2008) "What's the Matter with Tie-breaking? Improving Efficiency in School Choice"
by Erdil and Ergin American Economic Review, 98 (3), 669-689. [8]で考案された理想的なメカニズム(ゲイル=シャプレー・メカニズム)を現実の学校選択制に適応する際に生じる(事後的な)非効率性を理論的に明らかにすると共に、その解決策としてStable Improvement Cycle (SIC)を提案しました。[7]との関連性も強い論文です。 トップページに戻る |