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さて,研究者の最高の栄誉は『島を発見した人』になって後世にその名を留めることであるとされている.研究者なら誰しもこの栄誉に恵まれたいと願っている.しかし,そのためには,本当に『何も発見できない』だけでなくシケの海であえなく『溺れ死ぬ』かもしれないという大きなリスクを覚悟しておかなければならない.このリスクは一般に “all or nothing”リスクと呼ばれているものであり,身も心もボロボロに擦り切れて社会的落伍者となる危険である(このことは,人類の長い歴史の中ですでに実証ずみである).だが,翻って考えてみると,この世は研究とは限らずあらゆる種類の危険に満ち満ちている.安全で確実な人生など1つもないのである.ましてや,安全だけにしがみついた人生など空疎そのものでしかない.であるとするならば,そして,いったん研究者としての道を踏み出してしまったのであるとするならば,いかなることがあっても『島を発見する人』たらんとする研究者魂だけは決して捨てまい.それでベストを尽くしたあとは思い煩うことは何もない,ただ天命に任せればよいではないか.このような信条こそが『極道』すなわち『道を極める』ことに人生を掛けた者達の心意気というものであろう(極道から心意気をとったら何も残らない!).いたずらに右顧左ベンせず,腹を据え捨て身で掛って行くうちには,極道にもそれなりの人格が備わって来るに違いないのである.美しいものに対する感受性とかけがえのない個性だけが頼りの極道達に幸いあれと祈らざるを得ない由縁である.