Sugamura's Psychology Lounge

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Q&A

 このページでは,本研究室(菅村ゼミ)に関して,実際に受けた質問への回答をまとめています。基本的に質問を受けた順に書いています。質問があれば,今後また増やしていきます。
 

Q1. ゼミに来てほしくない学生はどのような学生ですか?

A1. 出席しない学生は困ります。

 他のゼミもそうだと思いますが,本ゼミでは講義は行わず,発表やディスカッションなどがメインになります。たとえば,ある書籍を輪読する場合,各人に1章ずつ割り当て,それを他のゼミ生にわかるようにレジュメ1~2枚にまとめて,発表してもらいます。ある週に,第1章から第3章まで進みたいときに,第2章に割り当てられている人が欠席すると,そこで輪読が滞ることになります。出席しない学生,とくにドタキャンする学生は一番困るので,そういう学生には来てほしくありません。
 

Q2. 卒論指導は具体的にどのように進めますか?

A2. 本ゼミでは「プロポーザル制度」を採ります。

 「プロポーザル」(proposal)とは,「研究計画書」とも言いますが,ここではより広い意味で「研究の提案」を指します。たとえば,最初は各人が興味をもち,卒論として実験や調査をしてみたいテーマをいくつかに絞ります。そして,どのような方向性で進めたいかというプランを提案してもらいます(1回のゼミで数人が発表)。指導教員は,そのテーマの関連研究や考えられる方法などについて,できる限りの情報を提供します。それを受けて,学生はテーマをもっと絞ったり,具体的な研究方法を立案したりします。教員はまたそれに対してコメントをしていくという形で進めます。

 これを数回繰り返すと,研究の形が見えてきますので,そうしたら「問題(研究の背景,目的,仮説など)」と「方法」(材料,手続きなど)をもっと詳しくまとめた「研究計画書」を提出してもらいます(本来は,これをプロポーザルと言います)。それに対して教員がまたフィードバックしながら,具体的な研究の実施へとつなげていきます。

 4年次のゼミでは,これがメインになります。他の学生の提案を聞いて刺激を受けたり,またそれに対する他の学生や教員のフィードバックを自分の卒論に活かしたりしていくわけです。そういう意味では,学生と教員による双方向の「提案」の繰り返しが「プロポーザル制度」の本質といえます。
 

Q3. 卒論ではデータを取らなければならないのですか?

A3. 本ゼミでは必ずしもそうではありません。

 散在している多くの類似研究について,その歴史的背景や発展の経緯をまとめ,そこから今後の課題を展望するような文献研究は,他の研究者にとっても重要なことです。ただし,そのテーマを網羅するほどのかなりの本数の論文や書籍を読むだけでなく,それらを巧みにまとめないと,あまり意義のある研究にはなりません。文献を読む力,語学力に加えて,それをまとめる力がなければ,難しいでしょう。

 実験や調査の場合でも,もちろん文献を読むことは大切ですが,文献研究ほどに広く細かく読む必要はなく,むしろデータが重要な意味を持ちます。結果はどうあれ,何らかのデータが得られたとすれば,その意義が認められます。卒論生にとっても,ある程度の「型」が決まっている実験・調査論文が書きやすいのではないか,と思います。
 

Q4. ゼミは何名なのですか?

A4. 1ゼミ1学年12±3名です。

 本専修の定員が105名で,教員が9名であるため,105÷9=11.66...になります。
 

Q5. ゼミの配属はどのようにして決まるのですか?

A5. 希望ゼミと「心理学一般実験」の成績との兼ね合いで決まります。

 心理学演習(3年次ゼミ)の履修を希望する2年次生は,「ゼミ希望届」に各自希望するゼミの優先順位を第8位まで記入して,1月中旬までに届け出ます(2008年度の場合)。ゼミ選択希望は尊重したいところですが,例年,希望ゼミに偏りが生じますので,人数制限を行わざるを得ない状況です。

 そこで,各ゼミの第1希望者について、2年次の科目「心理学一般実験」の成績上位順に選抜します。人数が満たない場合は,第2希望者について同様に行い,さらに第3以下希望者について手順を繰り返します。選抜の結果は,2月上旬に第1学舎オフィス付近に学籍番号の掲示をもって発表します。

 言うまでもなく,2年次で心理学一般実験の単位修得済みの者だけに,心理学演習(3年次ゼミ)を履修する資格が与えられます(編転入生を除く)。 このことは本ゼミに限りません。
 

Q6. お勧めのゼミはどこですか?

A6. 自分の関心や目的に応じて決めてください。
 どのゼミもお勧めします。自分のやりたいことや,やりたくないことを考えて,心理学一般実験の最後の授業で配布されるゼミ・ガイダンスの資料や先生方のウェブサイトを参考に決めてください。
 

Q7. ゼミに入る前に読んでおくべき心理学の本を教えてください。

A7. 主にゼミで取り上げる内容と関連した本を紹介します。心理学書ではないものの,関連が非常に深い著作も含めています。心理学の基本書もあわせて紹介しておきます。関心に応じて,どれかを読んでみることをお薦めします。 

心理学全般

  • 無藤 隆・遠藤由美・玉瀬耕治・森 敏昭(編)(2004)心理学 (Science of Mind and Heart) 有斐閣.
  • 鹿取廣人・杉本敏夫・鳥居修晃(編)(2008)心理学[第3版] 東京大学出版会.
  • 中島義明・箱田裕司・繁桝算男(編)(2005)新・心理学の基礎知識 有斐閣.
  • 内田一成(監訳)(2005)第14版ヒルガードの心理学 ブレーン出版.
  • Hergenhahm, B. R. (2001). An introduction to the history of psychology (4th ed.). California: Wadsworth/Thomson Learning.
  • 梶川達也(監訳)(2007)心理学を変えた40の研究 ピアソン・エデュケーション.

臨床

  • Corsini, R.J., & Wedding, D. (2008). Current psychotherapies (8th ed.). Belmont, CA: Thomson.
  • Mahoney, M. J. (1991). Human change processes: The scientific foundations of psychotherapy. New York: Basic Books.
  • 越川房子(監修)(2007)ココロが軽くなるエクササイズ 東京書籍.
  • 伊藤義美(編)(2008)現代臨床心理学 ナカニシヤ出版.

身体

  • 春木 豊(編)(2002)身体心理学:姿勢・表情などからの心へのアプローチ 川島書店.
  • 山口 創(2002)からだとこころのコリをほぐそう:身体心理学入門 川島書店.
  • 多田道太郎(1978)しぐさの日本文化 角川書店.
  • 鷲田清一(1998)悲鳴をあげる身体 PHP研究所.

文化

  • ニスベット,R.  (2004)木を見る西洋人 森を見る東洋人 ダイヤモンド社.
  • ベネディクト,R.  (1963)菊と刀菊と刀:日本文化の型 講談社学術文庫.
  • 和辻哲郎(1979)風土:人間学的考察 岩波文庫.

その他の役立つ本

  • 浅井邦二(監訳)(1999)心理学実験計画入門(改訂版) 学芸社.
  • 心理学マニュアル(いくつかシリーズがあります) 北大路書房.
  • フィンドレイ,B. (1996)心理学 実験・研究レポートの書き方:学生のための初歩から卒論まで 北大路書房.
  • 心理尺度ファイル(垣内出版)
  • 心理測定尺度集 第1~4巻(サイエンス社)
  • 対人社会心理学 重要研究集(誠信書房)
  • 心理学辞典(有斐閣)
  • 心理学総合事典(朝倉書店)
  • 心理臨床大辞典 改訂版(培風館)
 他にも思いついたら,随時,アップしていきます。
 

Q8. ゼミに来てほしい学生はどのような学生ですか?

A8. 真面目で勉強熱心な学生です。

 基本的にはモチベーションが高い学生が教えやすく,またいろいろ進んで勉強してくれる学生からは教えられることもたくさんあります。入試の面接などをしていると,「心理学専修に入りたいです。モチベーションもあります」というようなアピールをする人がいますが,「心理学についてどんな本を読みましたか?」と聞くと,「まだ読んではいません」という答えが返ってくることがあります。やる気があるというのは,行動を伴って初めて意味をなすのです。なので,単にモチベーションがあるというだけでなく,それが課題や卒論の取り組みに反映されないと意味がないですね。

 やる気のある学生は,他の先生の授業にどんどん潜ればいいと思います。関大には全国トップクラスの優秀な先生方がたくさんいらっしゃいます。単位のための勉強は本当の勉強ではありません。単位とは関係なく,授業に出させてほしいと頼んで断る先生はそうはいないでしょう。大学院の授業では学部生のオブザーバー参加を公認している授業もあります。ぼくが大学生の頃は,『ニセ学生マニュアル』などの本が出版されていて,著名な先生の面白い講義を聞くには,いつどこに行けばよいなどの情報が手に入りました。いまならそういう情報もネットでかなり調べられるでしょう。授業でなくとも,学部生や院生の研究会など,学内外にたくさんあります。やる気のある学生というのは,そういうところを自分で探して自発的に勉強する学生のことです。
 

Q9. 英語ができないと困りますか?

A9. 話せなくてもよいですが,読めないと困ることはあります。

 研究テーマによっては英語を読む必要があまりないジャンルも稀にありますが,心理学は英語の資料が多いので,いずれにしても英語もできるに越したことありません。できるほうが明らかに有利です。苦手な人でも,辞書を使って読めばよいわけですが,単語の意味はわかっても文法が取れないと文章の意味がわからないので,英語の不得意な人は高校のときの文法書などで復習しておくことをお薦めします。

 ぼくも実は英語嫌いで,大学に入学したら英語はもう勉強しなくていいと思って,使っていた辞書などすべて捨ててしまいました。大学で英語の授業が必修だとは知らなかったんです・・・。大学1,2年の頃は英語が嫌で,受験勉強で身につけた英語も忘れてしまいましたが,3年生になって英語論文を否応なく読まされてくるうちに,嫌でも読むようになってきました。内容に興味があれば,形式(言葉の違い)はあまり問題になりません。ただ,英語は今でも嫌いなことに違いはないので,興味のあるもの以外は一切読みませんし,必要に迫られてもまず英語をしゃべることはありません。

 英語に慣れるためには,自分の興味があるテーマを読むのがよいです。ただし,新聞や小説,コミックは,独特な言い回しや口語や俗語がたくさんが使われているので,お薦めしません。ブログもだめですね。科学的な内容の本や心理学の概説書などがいいでしょう。関大の図書館の蔵書数は西日本の私立で一番多いので,読みやすそうな本を探してみたらいいでしょう。ぼくのお薦めは(といっても読んだことはありませんが),The Complete Idiot's Guide to Psychologyです。日本語に意訳すると,「アホでもわかる心理学」といったところでしょうか。ぼくが大学生の頃は,洋書を買うのに苦労しましたが,今はamazon.co.jpなどでも取り扱いをしていて,ずいぶん楽になりました。
 

補足

卒業論文のテーマとレベル


 担当者の専門に近ければ近いほど,より質の高い指導が可能であるが,各自が卒論で取り上げるテーマを無理に本ゼミ担当者の専門に合わせる必要はない。各自が主体的にテーマを決めて研究に取り組むことを最も尊重する。3年次ゼミで取り扱うテーマは,あくまで学生の関心の幅を広げるために提供するものであり,むしろそこで学んだ研究の方法や物事の見方を使って各自が興味をもてるトピックを深め,卒論につなげられればよいと考えている。
 就職・進学に関わらず,学会で発表しても恥ずかしくないレベルの卒論を目指す(就職する人はもちろん学会で発表する必要はないが,してもよいし,実際にしている人も少なくない)。ちなみに,菅村が学生だったときは,指導教官から「就職・進学に関わらず,最低でも学会誌に載せられるレベルでないと単位はやらん」と言われた。本ゼミでは,これに比べるときハードルを下げているが,進学したい人は学会誌レベルを目指すこと。
 

大学院進学希望者について

 大学院以降では,学会発表と学会誌に論文が掲載されることが非常に重要になってくるが,実際にはすぐにこれができる学生は少ない。本ゼミの場合,進学希望者には,修士課程の入学年に学会で発表し,また学会誌に論文を投稿できるレベルの卒論になるように指導する予定である。学会発表や論文執筆のスキルについては大学院で指導することになるが,もちろん他大学の大学院に進学してもよい。
 関西大学には文学部心理学専修と社会学部心理学専攻を合わせた大学院である心理学研究科がある。社会学部の心理学部専攻の学生は,1年次から心理学に特化し,より専門的な勉強をしている。そのため,文学部心理学専修卒の学生が心理学研究科では授業についていけないという話を院生から聞くことがあるが,そのようなハンデを補えるような指導を心がける。
 大学によっては,学部生の頃から,自主的に「○○研究会」を作って,仲間同士でより専門的な勉強をしている学生も少なくない。なかには,その成果を本にまとめて出版する学生もいる。進学を考えている人は,学内外を問わず,そのような研究会や講演会に積極的に参加したり,あるいは自分たちで研究会を作ったりして勉強するとよい。ただし,会はクローズドの場合もあるので,参加する前に問い合わせておくこと。