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医薬品のネット販売規制に対する反対、賛成の激しい論戦が繰り広げられているが、その論戦はOTC医薬品販売の本質論から外れてきている。そこで本質を整理するために、ここに緊急提言を行う。 よりよい高齢社会のビジョンを早急に描かなければならない。
世界に例のない急激な人口構造。わが国の諸制度、価値観等、あらゆる側面での転換が迫れている。
わが国の閉塞感は未経験の人口減少時代と将来の健康・医療体制である。
(1)高齢社会の医療不安 日本の将来、未来が描けないことが日本の高齢化社会の医療不安である。 (2)高齢社会への願望 高齢化社会を描いた、中長期にわたる持続可能な医療制度の見直し。 セルフメディケーションで将来の高齢者医療を大幅に削減できる。
これまでの人口増加、経済成長から人口減少、経済低迷、急性期疾患中心から慢性期疾患中心の
医療制度の価値観、ロジックを転換させなければならない。
現行の医療・介護保険制度を、早急にセルフメディケーションを軸とした少子高齢化に対応した組み立てが必要である。
少子高齢化時代に現行の医療・介護保険制度を持続させるセルフメディケーションについて紹介する。
軽度な疾病の自己治療から、近年は生活習慣病の予防・改善まで含めて定義されている。 医薬品のほか、食事や運動、生活改善、代替医療、受診中の免疫力を自ら高めるなど、
セルフメディケーション領域は広い。
生活者自らが自らの健康づくりに参画し、それを医師、薬剤師、看護師等が連携して
サポートできる環境づくり。
セルフメディケーションの推進は大きな可能性を見出すことができる。
現行の医療保険制度を維持と、心身の健康を保持、活力ある日本を実現させること。 薬剤師などと医師が連携し、生活習慣病の早期受診を勧める。生活習慣病の重症化、
合併症を抑制する。
2025年の医療・介護費推計72.3兆円のうち、24-20兆円の削減効果がある。
セルフメディケーションを推進するためには次のような大きな課題がある。
生活者自らがセルフメディケーションの必要性を自覚し、行動を起こさなければならない。 生活者のセルフメディケーション推進を支援する薬剤師、医師などの連携が不可欠である。 生活習慣病等の予防や改善薬と血糖測定キットなどのスイッチOTC化と、
バイタルチェックに基づく健康指導ができる法整備が必要である。
世界はすでにセルフメディケーションに向けて動き出している。
地域住民に最もアクセスがいい薬局・ドラッグストア薬剤師がセルフメディケーションの主役として
活動している。
WHOとPIF(国際薬剤師・薬学連合)は薬剤師がセルフメディケーションの推進役としての役割を提言。
世界がその方向で動き始めている。
多くの国の薬剤師は薬剤師不要論を経験し、その中から熾烈な闘争のなかで薬剤師の新たな権利を
獲得してきた。
薬剤師不要論から「調剤業務に未来はない」という共通認識をもった。
ファーマシューティカルケア(薬剤師が患者の薬物療法の結果に責任を持つこと)の根底には
セルフメディケーション、医療費削減がある。
調剤薬のメールオーダー、調剤マシーンなど薬剤師逆風のなかで、個々の患者情報に基づく
健康管理の権利を勝ち取った。
患者、産業界が薬剤師によるセルフメディケーションの推進を支持した。 (4)拡大する薬局薬剤師の役割 薬局・ドラッグストア薬剤師が医療の最初の受け皿となり、医師の受診が必要な場合は、
その勧奨を行う薬剤師が世界中に拡大している。
改正薬事法の本当の目的、効果をあげるために何が必要かを紹介する。
改正薬事法には購入者側が知っておかなければならないことがある。
医薬品を副作用の発症頻度など、リクス別に3つに分類した。 リスク別に販売方法(購入方法)を分けた。購入者はその購入方法を理解することで、
より安全で効果のある医薬品使用が可能になる。
(3)改正薬事法の骨格 「対面販売の原則」の基本、「販売責任」の明確化、「リアル店舗」の販売制度の整備。
改正薬事法がなぜ必要だったか、その目的と狙いについて紹介する。
OTC医薬品の安全性を高め、かつ効果性を高める販売体制を整備した。 OTC医薬品を活用したセルフメディケーション推進のための法的環境を整備した。 (3)急がれる生活習慣病・慢性疾患の予防・改善薬のスイッチOTC化 今後、急増する生活習慣病・慢性疾患の予防と改善薬のスイッチOTC化と、
その受け皿の法的環境を整備した。
調剤からセルフメディケーションの推進の方向に薬剤師の大きな可能性が生まれる。 わが国の医療制度崩壊を回避するセルフメディケーションの推進は、改正薬事法を活用することで実現する。
改正薬事法を上手に活用するために、利用者自らが自らの健康を守るために改正薬事法を理解
しなければならない。
(1)改正薬事法の目的 改正薬事法はOTC医薬品の安全な提供体制を確立し、セルフメディケーション推進の
法的環境を整備した。
改正薬事法は薬剤師や医師の献身的努力では実現しない。生活者自身の参画が絶対条件になる。 これまでの症状緩和の自己治療機能(第1の機能)に加えて、生活習慣病・慢性疾患の予防・
改善機能(第2の機能)が加わった。改正薬事法で、今後は第2の機能が中心になると予測される。
改正薬事法を上手に活用するポイントは次の4つである。
今後、安全かつ効果の高いOTC医薬品を誕生させるために、改正薬事法を理解する。 薬剤師、登録販売者は購入者に情報を提供することが義務づけられた。購入者、使用者は
その権利を獲得した。
薬剤師、登録販売者は相談を受けたら、その相談に応えることが義務づけられた。購入者、
使用者はその権利を獲得した。
生活習慣病などの重症化を防ぐため、薬局・ドラッグストアで受診を勧められたら速やかに受診する。
改正薬事法の効果をさらに上げるための課題は次の通りである。
セルフメディケーションの啓発と、セルフメディケーションを推進することによるインセンティブ
(医療費の控除)を与えること。
(2)スイッチOTCの拡大 高齢化の人口構造の変化に対応した生活習慣病や慢性疾患の予防・未病改善薬など、
国民が望むOTC医薬品の拡大を図ること。
薬剤師が医療のファーストアクセスになるために、バイタルチェックに基づくアドバイス、
自己管理のための指導、医師への受診勧奨が図れる制度改正。
セルフメディケーションを推進するための医師と薬剤師の役割分担と連携システムづくり。
現行の医薬品のネット販売制度を不服として、ネット販売業者らは行政訴訟中である。
OTC医薬品販売の規制緩和は次の経過をたどってきた。
(1)改正薬事法案の成立まで 通知に基づく常駐指導、これに対してドラッグストア業界が行政手続法違反として抗議、
2年以上の検討を経て改正薬事法が成立した。
(2)改正薬事法施行まで 政令、省令改正時、ネット販売業者の反発が高まり、施行直前に、2年間の経過措置が設けられた。 ネット販売「賛成派」と、「反対派」との論議が続いている。
医薬品のネット販売に関する賛成、反対論理は次の通りである。
(1)ネット販売賛成派 ネット販売の擁護と、便利性をたてに国民受けを狙う論調が多い。 (2)ネット販売反対派 医薬品の特性によるさらにセルフメディケーション推進の観点から慎重論が多い。
医薬品のネット販売の是非を巡り、現在、政治家、マスコミなどを交え、論理が捻じれて、本質論から
外れつつある。
改正薬事法は医療保険制度を維持するために導入されたという理解が不足し、便利性、規制強化
などの論調で進められている。
(2)考え方・認識の異なり 「対面」、「安全」、「規制改革、規制緩和」に対するそれぞれの認識が異なり、議論が平行線を
辿っている。
考え方・認識の異なりの中で、どうすれば決着するかを冷静に考える必要がある。
(1)対立から理解へ
「賛成」対「販売」の対立から、OTC医薬品の可能性と今後のあり方について共有化することが
大切である。
(2)国民のための議論
医薬品の「安全性」「効果性」「利便性」を三位一体で実現する体制を、双方が建設的に論議する。
(3)検討のテーマ
建設的かつ国民に寄与する検討のステップが必要である。
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