1.全入時代=「本物を見抜く力」が試される時代 受験生のみなさん、こんにちは。 京極真です。 受験生に「最終的に志望校を決めた理由」について聞くと、だいたいの方が「学校設備」「交通」「就職率」「学費」を踏まえて決めたと答えてくれます。 つまり、普通の受験生は、学校の設備が良く、交通アクセスが便利で、就職率が高く、学費が安い、という条件を満たす養成校を、志望校として最終選択するわけです。 ふむ、なるほど。 この選び方は、一般的な志望校選びとしては、おそらく妥当です。 だけど、作業療法士養成校の選び方としては、ちょっと不十分だと思います。 つまり、上記の理由のみで作業療法士養成校を選んだ学生は、後々後悔しやすい可能性がある。 というのも、作業療法士養成校を選ぶときには、上記のポイントに加えて、もっとちゃんと確認しておいた方がよいポイントがあるためです。 「全入時代」を迎えたいま、作業療法士養成校が受験生を選ぶという構図は成立しにくくなりました。 受験生にとってこれは、過剰な受験戦争を体験せずにすむという点において、ハッピーなことかもしれません。 だけども、受験生は「本物を見抜く力」を試される状況におかれることになります。 理屈のうえではどこでも入学できるのに、それでもなお変なところに入学したとしたら、それはもはやコントです。 コメディーのコントは最高のショーですが、人生のコントはその道のプロでなければ火傷のモトです。 なので、受験生は進学するに値する作業療法士養成校を探しだす必要があります。 というわけで、ここでは普通の受験生にはあまり知られていないけども、知っておいて損することはないと思われる作業療法士養成校を選択するポイントについて、(私の独断と偏見をまじえながら)お話します。 なお、以下のポイントを交えながら志望校を決めて失敗しても、もちろんすべて自己責任ですからあしからず。 2.専門学校・編 受験勉強の邪魔になってはいけないので、結論から言ってしまえば、専門学校は「老舗かどうか」が選び方のポイントになるでしょう。 この業界で昔からある専門学校は、作業療法士の需要が今のようにはっきりとわかる前から、「日本国民の健康と幸福を向上させるには、作業療法士を育てる必要がある」という社会的使命の実現という大技によって創られたところがほとんどです。 そのため、作業療法士養成校の老舗は教育の質の向上に対して、ことさら鋭敏です。 また、老舗の専門学校は人的ネットワークが広く、卒業後も何かと恩恵を受けやすいと思います。 なので、受験生は老舗の専門学校を選んでおけば、大きく失敗することはないでしょう。 探し方は簡単。 日本作業療法士協会のホームページにある全国の作業療法士養成校一覧にアクセスし、その一覧表の左側に「開設」という項目がありますから、年度の古いところを探しだしていけばいいのです。 通える範囲で見つかれば、志望校の1つとして選択しておけばいいでしょう。 もうひとつ、専門学校選びにはポイントがあります。 それは、教員の「教育力」です。 専門学校は、普通の人間に作業療法という特殊技法を習得させるための教育機関です。 つまり、専門学校は作業療法士の育成に特化しているという点に、大学にはないアドバンテージがあります。 だから、教員の教育力は、専門学校の生命線です。 でも、これの見分け方はとても難しいのです。 というのも、教育の成果は数十年たってからわかることも少なくないので(一生わからないこともある)、教育力を簡単に判断することができないためです。 なので、教員の教育力は、学校説明会などで行われる質疑応答の様子から推測するしかありません。 推測の目安としては、(1)学校説明会などで教員の専門分野について質問したときに嫌がらずに話してくれるかどうか、(2)教員に対してあこがれる感覚を持つことができるかどうか、などがあるでしょう。 特に、教員にちょっとでもあこがれる感覚を抱けるかどうかは大切です。 もし、教育力のある教員がいると推測することができれば、老舗でなくても志望校として自信を持って選択したらよいと思います。 専門学校選びに失敗したくなければ、学校説明会などの機会を使って教員たちとお話するようにしましょう。 3.大学・編 基本的には、上述した専門学校の選び方をそのまま用いることができますが、それだけではやはり不十分です。 というのも、大学は専門学校とは異なり、教育機関であると同時に研究機関という役割もあるためです。 だから、作業療法士養成校として大学を選ぶには、研究機関としてもしっかり機能しているかどうかを判断する必要があります。 しかし、その判断はやはり一筋縄ではいきません。 受験生の立場からでも比較的わかりやすいポイントを挙げれば、志望校として考えている大学に「作業療法士のための大学院があるかどうか」というものになります。 大学院には修士課程(博士前期)と博士課程(博士後期)がありますから、志望する大学を決めるときはその両方が設置されているかどうかを検討した方がよいでしょう。 進学する大学を決めるのに、どうして大学院の有無がポイントになるのでしょうか? 実は、作業療法士養成校において、大学と専門学校の違いは必ずしも明確ではありません。 どちらを卒業しても作業療法士になれるためです。 でも、1つだけ決定的に異なるところがあります。 その答えは、大学は研究機関としても機能するという点です。 つまり、受験生が作業療法士養成校として大学を選ぶならば、研究機関として高度に機能しやすい大学を選んだ方が、大学独自のアドバンテージから恩恵を受けやすいはずです。 そのため、大学院(特に博士課程)の設置の有無が、(大学院に進学する予定がなくても)志望校選びの目安になるのです。 というわけで、あなたがもし作業療法士のための「大学院がある大学」と「大学院がない大学」で迷うようなことがあれば、思い切って前者を選んでおけば判断を大きく誤ることはないでしょう。 以上の話しを聞いてもなお、「大学院の有無が志望する大学を決める判断材料にならない」と思う受験生がいるようでしたら、大学の他に専門学校も選択肢に入れた方がよいと思います。 さて、もう1つのポイントは、教員の「研究力」です。 大学は研究機関ですから、教員の研究力は大学の活力になります。 活力のある大学で学べる学生は、ブレイクスルーできる機会に恵まれやすいです。 だから、受験生が志望校を選択するときに、教員の研究力を無視することはできません。 これの見分け方は、教育力に比べて比較的やさしいです。 まず、志望する大学のホームページにアクセスし、教員紹介のページを探しだしてください。 ページを見つけたら、教員の中から作業療法士を探し、研究業績(著書、論文)の数を調べましょう。 普通、研究力のある教員は研究業績の数が豊富です(例外もあります)。 もし、大学の教員紹介のページで教員の研究業績が公表されていなければ、J-GLOBALに教員の名前を1人ずつ入力して検索して調べましょう。 J-GLOBALでよくわからないときは、googleに教員の名前を1人ずつ入力して検索してください。 研究力のある教員であれば、上位の検索結果で何らかの情報が引っかかるはずです(AMAZONで書籍検索するのもOKです)。 ここまで調べても何もでてこないときは、学校説明会などで教員に取り組んでいる研究について聞いてみましょう。 それでもなお、謎が残る場合は、、、(以下自重)。 もし、研究力のある教員がいると推理することができれば、作業療法士のための大学院が設置されていない大学でも研究機関として活力があるとみなし、志望校の1つとして自信を持って選択すればよいでしょう。 大学選びで失敗したくない受験生は、手抜きしないで上記の2点ぐらいは調べましょうね。 2009/12/07 |