内井 喜美子 博士(理学)

大阪大谷大学 薬学部 衛生・微生物学講座

Email: utiikimi (at) osaka-ohtani.ac.jp

お知らせ

2024/4/10 琵琶湖の外来ミジンコの起源と定着要因を堆積物由来休眠卵・遺骸より検証した論文が公開されました

2023/9/18 Joint Workshop on SATREPS Projectで環境マイクロバイオームについて話します

2023/6/20 水温環境と宿主の水温選好性が感染症流行パタンに影響することを理論と実証により示した論文が公開されました

2023/4/4 ホンモロコの遺伝的多様性評価に関する論文が出版されました。本論文の説明はこちら

研究内容

多様な生物情報を包含する核酸を野生生物体内や環境中から取り出し解析するアプローチを用い、肉眼での観察では測れない自然生態系におけるダイナミックな生命現象を検証することにより、環境変動に対する生物応答を解き明かすことを目指しています。

環境DNA

水や土壌といった環境媒体には、そこに棲む生物から放出されたDNAが含まれており、環境DNAと呼ばれます。環境DNAは、種から種内の遺伝的変異情報までを内包する生物多様性情報の宝庫です。したがって環境DNAを分析すれば、種構成から種内の遺伝的多様性までを網羅的に捉えることが可能となります。環境DNA分析技術の発展は、生物多様性観測に革命をもたらしつつあります

野生生物新興感染症

野生生物における新興感染症の発生増大は生物多様性への大きな脅威となっています。新しい宿主集団のなかに侵入した新興病原生物は、どのような感染戦略により宿主集団に定着するのか?どのようなメカニズムで宿主絶滅リスクを高めるのか?コイに感染するコイヘルペスウイルスをモデルとし、自然生態系における野生生物新興感染症の動態解明に取り組んでいます

宇宙微生物学

人のいるところ微生物あり。地上400 kmの宇宙空間を飛行する国際宇宙ステーションにももちろん微生物が生息しています。宇宙居住空間に滞在する人の健康を維持するためには、感染症リスクの制御が必須です。宇宙居住空間における微生物動態の基盤情報の収集と解析による微生物リスク評価と、迅速な微生物モニタリング法の開発を進めています。