機械系シミュレータ   Fulico+   V7.5    

本ソフトは、機械系や電気系のシミュレータです。
振り子の運動、リンク機構、モータ駆動など、機械系や電気系の動きをシミュレーション します。
理工系の学習や教育、機構や回路の設計、システムや制御系の検討、などにご使用下さい。

 要素の種類は、次の通りです。
機械要素 : 剛体、梁、ばね、捩りばね、質量、歯車、チェーンベルト、滑車、ストッパ、車輪、位置、力
電気要素 : 電圧源、電流源、抵抗、キャパシタ、インダクタ、ダイオード、リレー、オペアンプ、DCモータ
油空圧要素:圧力源、ポンプ、シリンダ、油圧ライン、油圧オリフィス、空圧ライン、空圧オリフィス
磁気要素 :透磁、マグネット、ギャップ起磁力

 要素のデータに対して、パラメタを用いて次のような演算ができます。
値の代入、四則演算、微分、積分、一次遅れ、二次遅れ、区分線形関数、パルス巾変調

 入力ファイルの例として、次のようなサンプルを添付しています。
・振り子 ・二重振り子 ・ばね振り子 ・共振 ・衝突振り子 ・梁と座屈 ・起上がり小法師
・スライドクランク ・ホーキンス ・楕円 ・摩擦 ・遊星歯車 ・楕円コンパス ・ブリカード
・サイクロイド振り子 ・段差乗り越え ・リンク歯車 ・振り子の波 ・ワットのリンク ・ロバーバル機構
・ポーセリエの直線 ・パンタグラフ ・偏心カム ・ヨーヨー ・滑車と輪軸 ・倒立振子 ・ブリッジ回路
・ウィーンブリッジ ・降圧チョッパ ・3路スイッチ ・自己保持回路 ・油圧サーボ ・油圧アーム ・エアシリンダ
・リレー ・ソレノイド  ・トルクモータ・スコットトランス

・バージョン情報  

 本ソフトの最新版は、次の Vector ソフトライブラリ にあります。
 plane750.zip (2024年3月27日公開)        機械系ミュレータ  Fulico+    V7.5   

ダウンロードファイルの展開手順は、次のとおりです。
・zip ファイルを右クリックして「プロパティ」を選択し、[ブロックの解除]と[OK]をクリックする。
 取説のファイル manual_plane.chm がブロックされていると、取説が正しく表示されません。
・zip ファイル を右クリックし、メニューから 「すべて展開」を選択する。
・展開先を確認して、[展開]をクリックする。分かり易い展開先として、「デスクトップ」をお勧めします。
 展開先の「デスクトップ」の後ろにフォルダ名があると、フォルダが二重に作成されるのでご注意下さい。
 二重になる時は、中のフォルダを切取り、外にコピーすると通常のフォルダになります。
 展開したフォルダ名は、plane750 になります。
・readme.txt の内容をご確認の上、ご試用下さい。


・基本操作 

 本ソフトには、入力窓と出力窓があります。
入力窓は、初期における系の配置や要素のデータを設定します。
出力窓は、系の時間的な変化を計算し、動き、力やトルク、パワ等を出力します。

入力ファイルのサンプルを開くには、plane.exe をダブルクリックし、ファイルメニューの「開く」からファイルを選択します。
ファイルの選択窓の一番上にある「ファイルの場所」は、展開したフォルダを指定します。
(旧版をご試用の場所、ここが旧版のフォルダになっていますので、新版のフォルダを指定して下さい)

入力窓から出力窓を開く「実行」メニューとして、次があります。
[計算]は、入力ファイルを計算して出力します。 先に計算した窓がある場合は、同じ窓に出力します。
[別窓]は、入力ファイルを計算して別の窓に出力します。 先の出力を残して、比較したい場合に選択します。
[手動]は、右クリックで時間を止め、マウスで節を動かすことができます。途中出力は[G]ボタンを押します。
[手動 C]は、上記に加えて、コントロールキー(Ctrl)を押した時点の値のみ、グラフ表示します。
[初期CK]は、初期の時点のみ計算して出力します。 要素を増やす時など、配置やデータをチェックします。

計算が始まると、出力窓のタイトルバーに[計算中]の文字が表示され、終ると結果が表示されます。

ツールバーに、再生用として次のようなボタンがあります。
[>_ ] は、時間が進むときの動きを表示します。                        [ _<] は、時間を巻戻すときの動きを表示します。
[>>] と [<<] は、10コマ飛びの早送りになります。    [>>]は、計算中も有効で、計算が速く済みます。
これらのボタンは、マウスカーソルで押している間、有効です。

ボタンを押したまま、カーソルをボタンの枠外にずらすと、ボタンを押放しにできます。
[|_ ] は、初めの時点を表示します。 既に初めの時点にある時は、終りの時点を表示します。
このボタンを押放しにしておくと、[>_ ] 又は [>>] を押放した時に、初めに戻り、繰返し表示します。
ボタン操作の他に、座標上でマウスの左ボタンを押すと、時間カーソルは、マウスカーソルから遠ざかる方に移動します。
マウスカーソルを時間カーソルに接すると、時間カーソルを動かすことができます。

ツールバーに、表示用として次のようなボタンがあります。
[ G ] は、グラフの表示をON/OFFします。           [ N ] は、節のid番号の表示をON/OFFします。
[ F ] は、力の表示をON/OFFします。                    [ E ] は、要素の表示をON/OFします。
[ & ] は、残像をON/OFFします。

これらのボタンは、計算中も有効で、[G]を ON にすると計算を休止してグラフを表示し、OFF にすると計算を続けます。
計算が終了すると、グラフと時間のカーソル線が表示されます。
グラフが不要な時は、[G]ボタンをOFFにすると、グラフやカーソル線は非表示になります。
マウスホイールを回すと、マウスカーソルの示す位置を中央に移し、距離の尺度が変わります。
下方の灰色の枠([・・ N]など、単位を書いた箇所)でホイールを回すと、力などのスケールが 2 倍ずつ変ります。 シフトキーを押しながら回すと 1.2 倍ずつ変ります。右下の枠で回すと、各値が一緒に変ります。

マウスの右ボタンをクリックすると、次のようなメニューが出ます。
[元尺] は、尺度を 始めの値 (ホイールを回す前の尺度) に戻します。
[適用] は、現状の尺度を反映して plane の .vc の値(尺度データ)を変更します。
[中止] は、計算を終了します。
[保持/!]は、[手動]や[手動 C]で計算中に、選択した節を離した後、その場所に保持します。

出力窓は、続けて開くことができますが、計算中は、待つようにメッセージが出ます。
最小化した出力窓 (タスクボタン) は、10コまでタスクバーに残すことができます。
条件を変えて計算する時など、タスクボタンをトグルして、窓を切換えて比較します。
入力窓で編集する時は、右ボタンのメニューから節を追加し、節を選択して要素を追加します。
節や要素が追加される場所は、右ボタンを押す時のカーソルの位置になります。

節は、左ボタンで押すと選択になり、再度押すとドラッグできます。
正確に配置したい時は、配置欄から値を入力します。

[閉じる] は、タイトルバーの右端にある[X]と同じで、出力の窓を閉じます。
試用時は、ファイルの保存メニューに制限があります。継続してご使用頂く場合は、ライセンスキーで制限を解除して下さい。

・ご試用に際して   

○ 入力欄において、データを編集している途中は、チェック欄が朱色になります。
 [更新 Ctrl ]メニュー、又は、[Ctrl]キーを押すと、データが更新されて、リストに反映されます。
 データが妥当でない時は、チェック欄に[?]マークが表示されます。
 この場合、値を修正して [更新 Ctrl]や[Ctrl]を押すか、又は、[戻す]メニューを押します。

○ データ欄で、一行の範囲を選択する場合、行頭から行末へカーソルを動かすと改行コードが含まれます。
 行末から行頭へ動かすと、改行コードを除いて選択できます。
 行の途中で改行したい時は、シフトキーを押しながらリタンキーを押します。

○ データにパラメタを付加する場合、右クリックのメニューから選択できます。
 使用中のパラメタには、チェックマークが付いて目印になります。

○ 入力窓で節や要素を追加する場合、追加される場所は、マウスの右ボタンを押す位置になります。
 要素を追加したり、貼り付けたりする時は、要素を付ける節を選択して、右ボタンを押します。

○ 初期チェックや、計算の途中において 「収束しない」 のエラーが出ることがあります。
 空回りする節があれば、小さな質量、慣性モーメント、角粘性などを付加します。

 実際の系では、要素や節は幾らかの質量や粘性を有しますので、この状況に近付けることになります。
 因みに、硬貨の質量と慣性モーメントは、次のような値です。

 1円玉: 1 e-3 [kg] 5 e-8 [kg・m2] 、 500円玉: 7 e-3[kg] 6 e-7 [kg・m2]

 ストッパ要素の場合、粘性が大き過ぎると、当りが粘着ぎみになり、収束しないことがあります。
 質量の動きを止める場合、粘性の値は、境界値が目安になります。
      質量を m 、剛性を K  とすると、境界値 D は、次の式になります。
  D =  1.36 * m^0.33 * K^0.66 (一般のばね質点系では、D =  2 * √ ( m * K )
 例えば、m=5  、K=1.e9  とすると、D = 1.36 * 5^0.33 *1e9^0.66 =  2e6 となります。

○ データの値が異常な時は、結果が異常に見えることがあります。
 例えば、滑車要素の場合、ロープのバネ定数を大きくすると、太いワイヤのイメージになり、押し力の時に直ぐに弛まず、負荷を支えることがあります。

 因みに、バネ定数  1 e6 N/m  は、100kgf の荷重で 約 1mm  の伸びになります。

・参考  

○ 計算速度が遅く感じられる場合
 コントロールパネルの設定で、「パフォーマンスを優先する」 にして試して下さい。
 また、計算の途中に、[>>]ボタンを押放しにすると、計算が速く進みます。

○ エディットやボタンの枠が分かり難く感じられる場合
 コントロールパネルの設定で、画面のデザイン(ウィンドウとボタン)を「Windows クラシック スタイル」 にして試して下さい。

○ 他のフォルダから使いたい場合
 マイコンピュータの「送る」に、plane.exe  のショートカットを設定すると、フォルダが離れていても実行できます。

・ライセンスの手続き  

ご試用頂いた後、継続してご使用頂ける場合は、ライセンスキーを入手して制限を解除して下さい。(事前に、ご試用頂いたソフトが、最新版であることをご確認下さい)

手続きと代金のお支払については、Vector のシェアレジサービス をご利用下さい。
本ソフトを試用すると、本ソフトを展開したフォルダに「touroku_yo.txt」という名のファイルが出来ます。
発行されるライセンスキーは、このファイルが作られたパソコン専用になります。
このファイルを開いて、中身のテキスト(2行あります)を全てコピーし、シェアレジの通信欄にペーストして下さい。

ライセンスキーは、「key_code.txt」 という名のファイルでお送りします。
このファイルを、本ソフトを展開したフォルダにコピーして下さい。その後、本ソフトを実行すると、制限が解除されます。
登録済のパソコンで本ソフトを最新版に差替える場合は、「key_code.txt」 を、最新版を展開したフォルダにコピーして下さい。

・お問い合わせ、連絡先    

次のアドレスにメールして下さい。 件名は、 「 ソフトの件 」 として下さい。
entsh@w6.dion.ne.jp 

・更新履歴 

Ver.  5.00    2022/08/03     [手動 C]のメニューを追加。
Ver.  6.00    2022/11/30      パラメタ文に「演算」を追加。
Ver.  6.10    2022/12/07      チェック欄の表示を一部変更。
Ver.  6.20    2022/12/26      円弧補間を追加。コメント欄の表示を修正。
Ver.  6.50    2023/01/25      入力枠の表示を一部変更。
Ver.  6.60    2023/02/01      ばね要素にガイドを追加。
Ver.  6.70    2023/03/15      捩りばね要素を追加。
Ver.  6.90    2023/05/15      油空圧を追加。
Ver.  7.00    2024/02/05      入力枠の仕様を一部変更。
Ver.  7.10    2024/02/19      パラメタ文に :pp を追加。
Ver.  7.20    2024/03/06      スケール変更時にシフトキーを併用。
Ver.  7.30    2024/03/13      磁気を追加。
Ver.  7.50    2024/03/27      出力文の  .oo  に範囲指定を追加。