第18回 創発システムシンポジウム

盛況のうちに終了いたしました.ご参加誠にありがとうございました!

2012/9/5 実行委員長 谷口忠大

シンポジウムへのご案内

計測自動制御学会 システム・情報部門では,第18回創発システム・シンポジウム「創発夏の学校2012」を開催致します.今年も,幅広い分野でご活躍の講師の方々をお迎えしてご講演頂くほか,ポスターセッションやグループディスカッション等,交流・議論の盛んな楽しいシンポジウムとなる予定です.本年度の特色は,開催地を滋賀県に移し東京大阪方面からのアクセスを容易にすることポスターセッションを懇親会と兼ねて十分な時間を充てることなどです.多くの皆様のご参加をお待ちしています.

本シンポジウムの趣旨(特に初めての方)はこちら,プログラム案はこちらをご覧ください.

ハッシュタグ

#ess18th

Facebookグループ

http://www.facebook.com/groups/103212589798599/

開催概要

日時:2012年 9月1日(土) ~ 3日(月)

場所・交通:〒520-0501 滋賀県大津市北小松179

同志社リトリートセンター [アクセスはこちら]

参加登録費・宿泊費:

一般参加者 30,000円 (宿泊費 10,000円を含む)

学生参加者 20,000円 (宿泊費 10,000円を含む)

※ポスター発表の登壇費は無料です.

※本シンポジウム合宿形式のシンポジウムであり,全日参加が原則です.途中で帰られる際も上記参加費をいただきます.

参加申し込みページ

http://www-robot.ise.eng.osaka-u.ac.jp/~m-shimizu/ess18/apply.php

-> 締め切りました.

IMPORTANT DATES

参加・ポスター発表申込の締切:

参加・発表申し込み開始: 2012年5月22日

参加・発表申し込み締め切り: 2012年8月1日 -> 締め切りました

予稿集原稿締め切り: 2012年8月1日 -> 締め切りました

基調講演 1件

麻生英樹 先生(産業技術総合研究所)

題目「記号創発のメカニズムとモデル-自己組織系からノンパラメトリック階層ベイズまで」

概要:

言語使用を頂点とする記号の使用は、高度な知能の最大の特徴の一つである。

記号創発のメカニズムやモデルについては、これまでに多くの研究が行われ、

情報の分節、分類、構造化などに関する多くの成果が得られているが、

未だに多くの謎が残されている。この講演では、そうした研究の流れを概観する

ことを通して、記号とは何か、記号の創発や自己組織化に必要な情報処理は何か、

など、記号創発の本質について考察するとともに、未解決な問題へのアプローチ

についての展望を示したい。

チュートリアル講演&ワークショップ 4件

1.稲邑哲也 先生(国立情報学研究所)

題目: 「社会的知能発生学シミュレータ:SIGVerse」

概要:社会的知能発生学シミュレータSIGVerseは,日常生活で人間をサポートする知能サービスロボットや昆虫の群知能などの研究を行うために国立情報学研究所によって開発されたオープンソースのシミュレータプラットフォームです.力学運動やセンサのシミュレーションだけでなく,エージェント間のコミュニケーション機能のシミュレーションも行うことができます.またHMDやKinectを介して仮想環境に没入し,ロボットとの音声・ジェスチャーを介した対話も可能です.本チュートリアルではこのシステムの概要を紹介し,サンプルプログラムの利用方法を解説します.

コーディネータ: 清水正宏 (大阪大学大学院)

2.青井伸也 先生(京都大学大学院 工学研究科航空宇宙工学専攻)

題目:「ヒト歩行運動に内在する低次元構造とシステムモデル」

概要: ヒトや動物は冗長で複雑な筋骨格系を巧みに操り適応的な歩行運動を実現している.その際,内在する自由度全てを独立に動かすのではなく,機能的に結合された集まりを介して運動を構成していると示唆されている.すなわち,歩行を構成する冗長多自由度系において,複数の自由度に何らかの関係(拘束条件)を与えて自由度を減らし,制御すべき要素を減らしていると考えられる.このような低次元構造は関節運動や筋活動に見られ,それぞれ運動学シナジー,筋シナジーと呼ばれている.これはヒトに限らず様々な生物で見られる普遍的なものであり,生物に内在する冗長性を解決する1つの戦略として広く研究が行われている.本講演では,様々な環境における計測データの数理解析からヒト歩行運動に内在する低次元構造とその特性を明らかにし,更にそこから得られる知見に基づいた神経筋骨格系のシステムモデルを構築し,動力学シミュレーションを通して,その機能的役割を構成論的に明らかにすることを目的とした研究について紹介する.

コーディネータ: 舩戸徹郎 (同志社大学)

3.小島一浩 先生(産業技術総合研究所)

題目:「オープンソースハードウェアとクラウドで作る消費電力モニタリングシステム」

概要:東日本大震災、原発事故により輪番停電等、日本はかつて無い電力危機を体験した。さらに2012年5月6日には我が国における全原発が停止した。今夏においては全国規模の電力ピークシフトが必要になると考えられる。電力ピークシフトを有効に機能させるためには、自身の消費電力と全体の消費電力をオンタイムで把握・共有する必要がある。本チュートリアルでは、ネット等で入手が容易かつ安価なオープンソースハードウェアとクラウドを利用して手軽に構築できる消費電力モニタリングシステムを紹介し、実際に構築する。

コーディネータ: 近藤敏之 (東京農工大学)

4.山村雅幸 先生(東京工業大学大学院 総合理工学研究科知能システム科学専攻)

題目:「合成生物学-観る生物学から創る生物学へ-」

概要:生物学は博物学から始まり、要素還元的な分子生物学、網羅的なゲノム科学を経て、生物をシステムとして「観る」システム生物学、新しいシス テムとして「創る」合成生物学の時代に突入した。実験技術的に見ても、細胞の機能を借りて小規模な人工遺伝子回路を実装することはもちろん、原始 的な微生物であればひとつの細胞のゲノム情報を全合成できるレベルに達しており、十数年後にはヒトゲノムのサイズにも手が届く可能性がある。ここでは、合成生物学の技術的基礎について簡単に紹介したのちに、実際の人工遺伝子回路がどのように設計・実装されてゆくのかについて解説する。さら に、近い将来の展望として、フルスクラッチから作られる人工細胞や、人工遺伝子回路によってコントロールされる人工細胞組織について述べる。

コーディネータ: 荒井幸代、矢田紀子(千葉大学)

※各ワークショップの詳細はワークショップのページを参照してください。

過去の創発システムシンポジウム

[第17回/2011] / [第16回/2010] / [第15回/2009] / [第14回/2008]

主催:

計測自動制御学会 システム・情報部門

協賛:

CREST「ダイナミクス全構造計算法の発展による脳神経-身体リズム機構の解明と制御」

立命館大学総合科学技術研究機構「先端的機械学習に基づく自律的適応知能ダイナミクス創成プロジェクト」

国立情報学研究所グランドチャレンジプロジェクト「構成論的シミュレータSIGVerseを用いた社会的身体的知能理解の研究展開」

企画:

計測自動制御学会 システム・情報部門 自律分散システム部会,知能工学部会,システム工学部会