civilesocietyforum

履歴:井原勝介講演会



□■市民社会フォーラム協力企画■□ 

大事なことはみんなで決めよう
前岩国市長・井原勝介さんと考える市民自治
 5/23@京都、24@堺&大阪、25@神戸

 2006年3月12日、山口県岩国市は、
米海軍厚木基地から岩国基地への「空母艦載機の移駐」を一方的に押し付けようとする
政府のやり方に対し、受け入れの是非を問う「住民投票」を実施しました。
これは米軍再編にかかわる住民投票では全国初のケースになり、
移駐反対の住民の意思が採択されました。
 この住民投票を市長として提案し、
市民の民意を受けて移駐反対を貫いた井原勝介さんをお招きし、
「市民による、市民のための、市民の自治」を考えるために、
京都・堺・大阪・神戸で連続企画を開催しました。

■井原勝介(いはら かつすけ)さん プロフィール
 1950年、 山口県玖珂郡錦町(現・岩国市錦町)生まれ。
99年岩国市長選挙でに初当選。2期目の途中に在日米軍再編問題が浮上、夜間離着陸訓練 (NLP) による騒音問題などからこの計画に対する懸念を明らかにし、市民の意志を問う目的で自ら住民投票を発議して実施(2006年2月7日)した。
 直後に行われた、新設合併に伴う市長選挙では、空母艦載機部隊受け入れ反対の姿勢を示して3度目の当選を果たす。これに対し、国は岩国市庁舎新築の補助金を停止するなどの圧力をかけ、市議会でも、空母艦載機部隊の受け入れを容認し経済支援策を引き出そうとする意見が多数を占め、
市長と議会の対立が続いていたため、市長を辞職する。
 2008年2月10日の出直し市長選挙に再出馬したが、1782票の僅差で惜敗する。
 現在、「草の根ネットワーク岩国」を立ち上げ、全国で講演活動を行っている。
草の根ネットワーク岩国
井原勝介ホームページ


★「大事なことはみんなで決めよう 前岩国市長・井原勝介さんと考える市民自治」 
 3日間のスケジュール

 
◆京都企画「みんなで考えよう 市民自治とまちづくり」
 日 時 08年5月23日(金)18:30開始(開場18:00)~21:00
 会 場 ひと・まち交流館 京都 3階第4会議室

 プログラム 第1部 「貧者の一灯~語りつがねばならない大事な話」上映(65分)
         第2部 井原勝介さんと中村和雄弁護士との対談
 コーディネーター 龍谷大学教授 広原盛明さん
 
 岩国基地問題のドキュメンタリーを鑑賞し、無党派市民候補として、2月の岩国市長選挙で僅差で惜敗された井原さんと、同じく京都市長選挙で951票差で惜敗された中村和雄さんと、地方自治やまちづくり、首長のリーダーシップなどをめぐって対談いたしました。
 
◆堺企画 「みんなで考えよう 平和と民主主義 岩国から、そしてアメリカから」
 日 時 08年5月24日(土)14:00~16:30
 会 場 堺市産業振興センター(じばしん南大阪)4階セミナー室4
 2月の岩国市長選挙で問われた民主主義とは?平和について、基地問題を切り口にパネルディスカッションしました。

◆大阪企画「みんなで考えよう 米軍再編と自衛隊イラク派兵」
 日 時 08年5月24日(土)18:30~21:00(会場18:00)
 会 場 ミローホール
 プログラム
   第1部 「貧者の一灯~語りつがねばならない大事な話」上映(65分)  
   第2部  井原勝介・前岩国市長と中谷雄二弁護との対談  「平和的生存権と市民自治」           
 岩国基地問題のドキュメンタリーを鑑賞し、 市長として住民投票を提案して米軍移駐NOの立場を貫いた井原さんと、 4月17日、憲法9条違反を指摘した戦後初の確定違憲判決を勝ちとった、 「イラク派兵差止裁判」名古屋訴訟・代理人の中谷雄二弁護士との対談を催しました。

井原勝介・前岩国市長と中谷雄二弁護士との対談録「平和的生存権と市民自治」



◆神戸企画 「みんなで考えよう市民自治 岩国から、そして神戸」
 日 時 5月25日(日)
 会 場 まちづくり会館ホール   
 プログラム 第1部 井原勝介さんを囲む会(少人数で懇談会)  
             11:00~13:00
         第2部 「貧者の一灯~語りつがねばならない大事な話」上映(65分) 
              14:00(開場13:30)~15:20
         第3部 井原勝介さん講演「市民自治の可能性―岩国の経験から」 (仮)
              15:30~16:40

 岩国の住民投票のドキュメンタリーを鑑賞し、井原さんとともに市民参加やまちづくりの可能性を交流しました。



主催 「井原勝介さんと考える市民自治」プロジェクト 
    連絡先 市民社会フォーラム





         □■「井原勝介さんと考える市民自治」共同企画■□
  しなやかな平和のつばさ~武力は無力!平和に生きよう笑顔のネット♪
                 ~発足記念イベント~

     あたりまえの平和を市民の手で
     -権利としての平和を考えよう


 日 時 08年5月24日(土)14:00~16:30
  プログラム   
  1.アンマン・ダマスカスで暮らすイラク国外難民を訪ね て(30分 映像とレポート)
       大垣さなゑ(「しなやかな平和のつばさ~(略)笑顔のネット♪」呼びかけ人)
  2.講演:市民がつくる平和運動としての違憲訴訟 (60分)         
       中谷雄二弁護士( 「イラク派兵差止裁判 」名古屋訴訟代理人  

 空自の輸送活動を9条1項に違反するとし、
平和的生存権の具体的権利性を認めた歴史的判決、
名古屋高裁判決(4.17)の今日的な意義について学び、
今世紀、国際社会がぜひとも獲得・確立すべき「新しい権利」 について考えました。

主催・お問い合わせ先  
 「しなやかな平和のつばさ-武力は無力!平和に生きよう笑 顔のネット♪」
  E-mail heiwa-tsubasa07@fol.hi-ho.ne.jp   

中谷雄二弁護士( 「イラク派兵差止裁判 」名古屋訴訟代理人 ) 講演録

◆◆「名古屋高裁判決に学ぶ、市民がつくる平和運動としての違憲訴訟」(要約 )◆◆           講師:弁護士 中谷雄二(イラク派兵差止裁判・名古屋訴訟代理人)                    於:08.5.24「しなやかな平和のつばさ 」学習会

  08年4月17日の名古屋高裁判決-空自のイラク活動違憲、 平和的生存権の具体的権利性を認める-は、5月2日に確定しました。 この歴史的判決について、名古屋訴訟の代理人である中谷雄二弁護士から、その意義、勝利の要因、平和的生存権についての他裁判所の判断、違憲判決の 生かし方について、当事者ならではのエピソードをまじえてお話しいただきました。   

◆緻密な事実認定をした上での違憲判断  
 判決の中で裁判官は非常に丁寧に事実を認定している。それらは、私たちが新聞や雑誌の記事、国会答弁等を丁寧に洗って少しずつ事実関係を整理し立証してきたもの。イラクで何が起き、自衛隊が何をやっているのか、現実を知るためにも、判決文 をよく読んで多くの方に伝えていただきたい。
  たとえばファルージャやバグダッドついて、判決は、武装勢力掃討の名の下にアメリカ軍がいつどのような攻撃を行なったか。-大規模な掃討作戦では無差別攻撃が行なった。何人の兵士が投入されどのような兵器が使用されたか。-国際的に使用が禁止されている残虐兵器を使用した。その結果どれほどの民間人が犠牲になったかという事実を丹念に認定している。
  航空自衛隊の活動について政府は国会で詳細を明らかにしていない。国民の情報 開示請求にも応じない。それでも裁判所は「証拠」をみて事実を認めている。C-130 輸送機の定員と最大積載量、政府が回答している輸送回数と総トン数から、何を運んだのかを検証し、武装した兵員を中心に運んでいるという自衛官の発言を裏付 け る事実を認定。そのうえで違憲判断を下している。    

◆判決の意義-思想的画期をなす判決
 判決の意義の第一は、統治行為論(※)に逃げなかったこと。    
※国防など高度に政治性のある国家行為について司法は判断権限を有しないとする考え方  
 戦後、9条をめぐって出た違憲判決は二件ある。砂川事件の一審判決は、駐留米 軍 を9条2項の戦力にあたるとして、長沼事件の一審では、自衛隊を9条2項の戦力に あたるとして違憲判断をした。前者はいきなり最高裁に政府が上告し短期間で敗訴、 合憲判断となり、後者も上訴をされてくつがえされた。前者の最高裁にたいしてアメ リカから圧力が加わっていたことが、最近あばかれた。
  以来35年。長期間にたくさんの裁判が起こされ、たくさんの裁判官が関わったにもかかわらず、司法は木で鼻をくくったような態度だった。それは、憲法と安全保障条約という矛盾する法体系が並存し、場合によっては安保法体系のほうが憲法体系に優先するという戦後日本の歴史において、政治の根幹をなす問題にたいし、国家公務員 である裁判官が政府と違った判断を下すことは、いかに良心的な裁判官でも至難 で ある。   その問題を名古屋高裁は証拠に基づいて違憲だと判断した。まさに「初づくめ」、 つまり①9条1項についての初の違憲判決、②高裁レベルでの初の9条違憲判決 、 ③自衛隊の活動についての初の違憲判決、そしてこれが④初の確定判決となった。
  もうひとつの大きな価値は、平和的生存権を具体的権利として認めたこと。 これを「思想的な転換」だととらえている。
  平和的生存権が具体的な国民の権利だと認められるということは「平和」が「人 権」 になるということ。人権は、政府や国会の決議によって侵害することができない 。 したがって、戦争は政策決定の問題ではなくなる。これまでは戦争を行なうかどうか の判断権限は議会にあった。だから戦争すると決めたとたんに人権が停止される 。 しかし平和が人権になれば、多数決民主主義によって戦争行為は行なえないという論理につながる。    

◆裁判官の心を動かした「鍵」は陳述書の中にあった
 違憲判決を勝ち取らせた最大の要因は時代状況である。まさにいま自衛隊が海外に出て行き、派兵恒久法が議論されるという現実がある。日本が大きな岐路にさ し かかっている。そういう時代認識と危機意識が裁判官を動かした。
  イラク状況について事実を丹念に調査・整理し、弁護士が毎回の法廷で読みあげ た。被害の現実を示すにも、殺傷された人数をいうだけではなく名前をもつ個別の被害者をとりあげ、顔の見える伝え方を工夫した。それらを自身の加害者性に照らして読みあげた。
  西谷さんのDVDの上映も役に立った。日本が加担している戦争がどのようなものであるかを裁判官に自覚させるうえでインパクトがあった。証人の証言も判決に直結した。小林武証人の気迫あふれる証言を、裁判官は身を乗り出して聞いていた。山田朗証人は、空自の後方支援がまさに戦地で行なわれているのだということを事実として示してくれた。
  名古屋訴訟は、全国の他の訴訟が経験していないことを経験している。 訴訟指揮の酷さで定評のあった内田計一裁判官と一年間たたかった。 更新弁論という法律で保障された権利を行使させず、法廷が空転したこともあった。代理人の異議を無視し、さらには忌避の申立までも無視して結審し、裁判を打ち切った。この裁判官に対して国家賠償請求訴訟を起こし、最高裁まで争った。この苦闘が私たち原告・弁護団を鍛えてくれた。
  恵庭・長沼裁判以来のたたかいを引き継いだことも力になった。全国弁護団会 議に毎回参加される内藤功弁護士の経験に基づいた助言に大いに教えられた。   もっとも力を発揮したのは、陳述書に書かれた原告の思いだった。平和的生存 権論を展開していくための重要な鍵は、原告の幅広く豊かな体験や、切実な思 いのなかにあった。原告の方の主張や発言をヒントにして準備書面を何本も書 いたが、学者や法律家の世界ではいまだ発展途上にある概念を、陳述書の具体的記述から抽出し、権利の根拠を法的に位置づけていくことができた。
  その結果、原告の思いは確実に裁判官に届いた。 判決は、控訴人らが「それぞれの重い人生や経験等に裏打ちされた強い平和への信念や信条を有して」いること、「憲法9条違反を含む本件派達によって強い精神的苦痛を被ったとして」損害賠償請求を提起していることを認め、控訴人らの「切実な思いには平和憲法下の日本国民として共感すべき部分が 多く含まれて」おり、「間接民主制下における政治的敗者の個人的な憤慨、不快感又は挫折感等にすぎないなどと評価されるべきものではない」と述べている。
  損害賠償をしりぞけているけれども、原告らの気持ちを受け止めてくれている。 ここが、憲法学者をして「この判決は憲法学をこえた」と言わしめるゆえんである。これは、全国で五千八百人が原告として立ちあがり、各地の裁判が連携 しながら訴訟運動を進めてきた成果でもある。

◆勝ちとった判決をどう生かすのかが問われている
 ほんとうは一刀両断にできるところをちょっと手前で止めて、派兵が原告に直接向けられたことではないから、今回は敗訴にしておくという「寸止め判決」 。
  ひるがえせば、直接原告に向けられる強制や加害への強制であれば、違憲からもう一歩すすんで「差止」ないし「違憲確認」のある勝訴判決になったという こと。本当に勝訴した場合、最高裁で必ずひっくり返され、合憲の判断を導き出す危険性がある。政治的には、このレベルで止めたのは素晴らしい決断だった。
  これまでどんどん既成事実が積み重ねられて憲法は骨抜きにされてきた。 憲法改正の声が出たり派兵恒久法が論じられたり、海外へ自衛隊を送り出して人を殺そうとしている状況をつくりだすのに、裁判官は責任がないのか。本来なら裁判所が歯止めをかけなければならなかった。にもかかわらず責務を果たさなかった。違憲判決はそのことに対する回答でもあった。
  イラクへの自衛隊派兵行為が違憲かどうか。イラク特措法違反がすなわち憲法 9条違反につながる、だから特措法違反になるという点をピンポイントとして丁寧に弁論をした。そのために、航空自衛隊の活動にしぼって違憲判決を出させる訴訟活動を展開し、判決の論理に直結するかたちで主張を組み立て、提示した。 裁判官はそれにしたがって判決を書いた。 まさに私たちが勝ちとった判決なのである。
  ならば次に問われるのは私たち。勝ちとった判決をどう生かしていくのか。 それを考え、行動していくことが私たちの役割である。    

◆戦争の加害行為を強制されない権利を認めた画期的判決
 平和的生存権を求めるたたかいは、少しずつ確実に前進してきた。湾岸戦争のと きまでは、平和は抽象的権利だという木で鼻をくくったような定型文言だけで負けてきたが、「イラク派兵差止訴訟」で前進のみられる判決が出てきた。
  たとえば熊本地裁の判決(08年2月29日)では、平和的生存権が、憲法第3章の人権規定と結びついて具体的な規範効果を導き出し得る旨述べた小林武証言を引用し、「傾聴に値する」と評価する一方、現時点で、具体的権利性を有するものとして裁判規範性を認めるには「躊躇を感じ」ると判断した。
  京都訴訟の大阪高裁判決(08年2月18日)では、「平和を求める良心」は「いか なる戦争もしないという日本国憲法の根本規範に対する信頼」であり、これをもつことは、日本国憲法19条にいう思想信条の自由・良心の自由として保障される。また、これが直接侵害された場合には利益侵害を訴えることができると述べ、具体的権利性がある場合を認めた。
  しかし、これらの判決はいずれも9条論や違憲論など法律論に一切触れてない。
  名古屋7次訴訟の田近判決(07年3月23日)は、平和的生存権はすべての基本的人権の基礎にある「基底的権利」であり、憲法9条に違反する国の行為によって個人の生命、自由、基本的人権を侵害・制約されない権利は憲法上保障されており、他の人権規定と相まって「具体的権利性を有する場面がありうる」と判断した。ただし利益侵害の対象は、被害を受ける側に限定されている。
 名古屋高裁判決の画期性は、具体的権利として平和的生存権を認め、憲法9条に違反する国の行為によって国民が生命、自由を侵害されないという被害点だけでなく、戦争や戦争の準備行為まで含んだ加害行為を強制されない権利としてもこれを認めた点にある。つまり、戦争準備のために基地拡張をするとか、それによって権利侵害を受ける場合にも裁判所に救済を求めることができる。
 湾岸訴訟以来ずっと訴えてきたことを認めさせた。「平和」が抽象的概念である と いう理由で一蹴され続けてきたが、「自由」や「平等」との比較においても、 「平和」概念の抽象性等を理由にその法的権利性や具体的権利性の可能性は 否定されるべきではないと述べた。画期的判断である。    

◆判決を恒久派兵法とのたたかいの有効なツールとして活用しよう
  「傍論」であることをとりあげて判決を軽視する動きがあるが、それは誤りである。
  国家賠償訴訟では、違法性と損害は法的用件であり、違法性を検討するなかで 違憲性を検討するのはあたりまえの論理である。違法・違憲をまず確認し、損害があったかなかったか。違法ではあったけど損害まではなかったから訴えはしりぞけるという普通の論理展開であり、むしろ「本論」だというべき。本論なのに 結 論に結びつかないから傍論だというかたちで軽視をするのは、見えすいた論理のすり替えにすぎない。
  じっさい、今回の違憲判決を受けて被告国は沈黙を続けることができなくなった。
  これまでは一切の事実認否を拒否してきた。政治の根幹をなす問題において政府がとっている方針に対して「違憲」であるなどと裁判所が言うはずがない、 裁判官にできるはずがないという暗黙の信頼があったからだ。しかし、この違憲判決により、国が暗黙の信頼を背景に積み重ねてきた違憲の既成事実は、今後 厳しくチェックされ、司法による審査に曝される覚悟をしなければならなくなった。
 最後に、この判決は名古屋の力だけで勝ちとったものではなく、全国のみなさん のたたかいの到達点である。その結果得られたすばらしい道具・手段を活用していく、広めていく。そのことが、いま目論まれている恒久派兵法に対するたたかいのもっとも有効な楯になるはずだ。市民の責任を果たしていきましょう。


感想レポート 5月24日学習会、講演会&対談を聞いて  もぐら@9条の会


 5月24日(土)

しなやかな平和のつばさ-武力は無力!平和に生きよう笑顔のネット♪主催の
■9条生きている!
★あたりまえの平和を市民の手で-権利としての平和を考えよう★

■二人が語る!
★「みんなで考えよう 米軍再編と自衛隊イラク派兵」★
 に参加してまいりました。
大変勉強になり、大いに元気をもらって帰りました。

 しなやかな平和のつばさ-武力は無力!平和に生きよう笑顔のネット♪の皆様、本当にありがとうございました。

感想をミクシィ日記に書きましたがこちらにも転載させてください。

~~~~~~~
 少し遅くなりましたが、5月24日(土)は午後と夜の両方、とても有意義な学習会&講演会、対談を聴く事ができました。


 まず、午後は大阪の「いきいきエイジングセンター」で、
「あたりまえの平和を市民の手でー権利としての平和を考えよう」

 報告:アンマン・ダマスカスで暮らすイラク国外難民を訪ねて
    (大垣さなえさん)

 講演:「名古屋高裁判決に学ぶー市民がつくる平和運動としての違憲訴訟」
    (中谷雄二弁護士~イラク派兵差止裁判・名古屋訴訟代理人)


 イラク難民の報告。
ジャーナリスト西谷文和さんのブックレットを読んで日本では全然報道されないイラクの惨状を知り、怒りを覚えていたワタシでしたが、大垣さんのご報告を聞き、スライドに映されるイラク難民の人びとを見たときさらに大きな怒りを感じました。様々な、傷ついた人たち、化学兵器の影響か性器のない体に生まれて来た男の子は、尿が垂れ流しというこ
とでした。このような人たちがイラクから近辺の国々で難民としての生活を余儀なくされているのです。
 こういったことが、日本ではまったく報道されないことに苛立たしい思いを抱きました。
イラクは明らかに戦闘地域で、そうでなかったらこんな傷ついた人びとがたくさん難民として外国へ逃れるはずがないのです。
 「人は見ようとしないものは見えない」といいます。
「自衛隊の行く所が非戦闘地域だっ!」なんてふざけたことを言った
おっさんの目の前に突きつけてやりたい映像ばかりでした。
そして「見ようとしない」多くの日本人たちの目の前にも。。。

 続いて、中谷弁護士の講演。
4月17日に出た名古屋高裁の「イラク派兵違憲判決」には、ワタシも小躍りして喜びました。こういう「違憲」を、とくに「9条に対する違憲」を訴えた裁判でめったに「違憲判決がでない」ということは、あまり詳しくないワタシも知っていましたから。
 しかし、この判決がいかに画期的か、中谷弁護士の講演会を聞いて改めて知りました。
この判決は原告敗訴ですから、勝った国は上告できません。したがって「9条に対して違憲である」というこの判決は『確定した』のです。
いままで「9条に対して違憲である」とした判決は2回だけ、それも上級審で覆されてしまっているので、これは本当に初めての確定した「9条に違憲」判決なのです。
 それと「平和的生存権」を権利として認めた点。

 中谷弁護士が、是非判決全文を読んでほしい、と仰るのでその場で判決全文の冊子を買い求め、家に帰って読みました。

 判決文とは、こんなに勉強になるものなのか、というのがワタシの感想でした。非常にていねいに、イラクの情勢を分析し、空自の輸送行為を詳細に分析して、イラクの首都バグダッドは「イラク特措法にいう『戦闘地域』にあたる」と、まず空自の行為が「イラク特措法」に違反していることを明確にし、また、「現代戦において輸送等の補給活動また戦闘行為の重要な要素である」として「自らも武力の行使を行ったと評価をうけざるを得ない行動である」として、仮に「イラク特措法」が合憲であるとの解釈をしても、空自の行為はイラク特措法に違反し、憲法9条の第一項に違反する活動を含んでいる、とはっきり、判断しています。

 「平和的生存権」

wikiによると

~~~~~~引用~~~~~~
日本国憲法の前文には「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠
乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と
あり、平和的生存権は主にここから導き出されるとする。また、第
9条(戦争の放棄)、第13条(幸福追求権)を根拠とする説も有
力であり、実際にはこの3つの条文を絡めた形で主張・検討され
る。
否定的意見として、上述の文の「全世界の国民が」という文言から解る
ように、憲法が"日本国民に対し"保障する他の人権と違
い、前文の当該箇所そのものには何らの権利を保障する効力がない、と
する見方がある。
~~~~~~引用オワリ~~~~~~

 しかし、この判決文は

~~~~~~判決文より引用~~~~~~
 このような平和的生存権は、現代において憲法の保障する基本的人権
が平和の基盤なしには存立し得ないことからして、全ての基本的人権の
基礎にあってその享有を可能ならしめる基底的権利であるということが
でき、単に憲法の基本的精神や理念を表明したにとどまるものではな
い。法規範性を有するというべき憲法前文が上記のとおり「平和のうち
に生存する権利」を明言している上に、憲法9条が国の行為の側から客
観的制度として戦争放棄や戦力不保持を規定し、さらに、人格権を規定
する憲法13条をはじめ、憲法第3章が個別的な基本的人権を規定して
いることからすれば、平和的生存権は、憲法上の法的な権利として認め
られるべきである。
~~~~~~引用オワリ~~~~~~~~~~

 と、はっきり「平和的生存権」を権利であると認めているのです。
中谷弁護士は「ある憲法学者が『この判決は憲法を超えてはいない、しかし憲法学を超えた』と評価しています」とおっしゃいました。

 「平和的生存権」私たちには、戦争の被害者にも加害者にもならずに
生きる権利があるのです。

 しかし、この素晴らしい歴史に残る判決を出した青山邦夫裁判長は、依願退職と引き換えに、この判決を出したのです。
裁判長が退職覚悟でないと国に対して違法・違憲判決も出せないこの国の司法って、おかしいと思います。


 夜は、ミローホールに場所を移し、「ふたりが語る」

*「貧者の一灯~語り継がねばならない大事な話」上映
* 井原勝介・前岩国市長と中谷雄二弁護士との対談
 「平和的生存権と市民自治」


 井原前岩国市長については、岩国基地問題で住民投票条例で圧倒的多数で、市民が米軍移籍にノーという答を出し、市長として米軍移籍反対の立場を貫きとおして僅差で破れたと言う事を聞いて以来、是非お話を聞く機会があれば。。。と思っていましたので、ご本人のお話を聞くチャンス!ととても楽しみにしていました。
「大事なことはみんなで決めよう」まったく、その通りだと思います。
「議会制民主主義」にどうしても疑問を感じずにはいられないワタシ。
選挙は一度としてサボった事なく投票に行っています。
でも、どうしても自分たちの代表を議会に送り、私たちの意見が政治に反映されていると感じられない私です。
 「住民投票」…これを通じて市民は多いに政治に関心をもち、議論したと、井原前市長は仰いました。そして、市民たちから「市長さん、住民投票をしてくれてありがとう!」と言う声があがったと言います。
 すごくよく解ります。自分たちの生活に関する大切な事は『えらい人に任せる』のでなく『自分たちで決める』をしたいと思います。
 中谷弁護士によれば、国に対する訴訟で負ける時、いつも判決では「原告は選挙を通じて自分の意志を国政に反映させることができるので、それに文句をつけるのは、負けた者の負け惜しみだ」などと言う理屈で敗訴するのだそうです。

 間接民主制への疑問。いままで漠然と持っていた政治に対する疑問に明快に答を得た気がします。なんでも「エラい人」に任せておくのでなく自分で学習し、自分で自分の答を出しそれを表明する直接民主制への期待。

 でも、私が住む大阪府の府知事がやっていることを見れば「日暮れて道遠し」の感があります。国政の場においても、去年通った「欠陥国民投票法」を見れば同じ。

 しかし、お二人は仰いました。
「あきらめてはいけません。」と。
そう4.17の違憲判決、もあきらめて行動しなければ得られませんでした。

 そういう意味で、色々な方からたくさんの元気とやる気を頂いた5月24日でした。


 最後に、世話人になられた方々に、本当によい話を聞ける機会をありがとうございました。

~~~~~~~~~~~~



           市民社会フォーラム協賛企画
 前岩国市長・井原勝介さん講演と映画上映

日 時 08年6月8日(日) 13時30分~17時
会 場 名古屋市・伏見ライフプラザ 12F 第1研修室    
     (地下鉄伏見駅 6番出口 南へ5分)
テーマ 民意を無視した米軍再編 地方自治の危機
 講演 前岩国市長 井原勝介さん
映 画 「貧者の一灯  子や孫たちに語りつぐ闘い」
参加費 1000円(学生無料)
主 催  国民保護法制を考える会

■木村厚子さんの参加レポート

名古屋の西さんが主催された井原さんの講演と
上映会(8日)は とてもよかったですよ。

130名の参加でした。もはやこれ以上の方がはいることが出来ないくらい
でした。

井原さんは歴史にも関心があり 名古屋にくる事ができたことを喜んで
おられました。午前中にあったNHKの選挙のときのドキュメンタリーの
感想を聞かれるなど 市民の意見に耳を傾けられる様子に市長時代の
民意を反映させる政治をという姿勢が感じ取れました。

西さんは「井原さんは 映像のままの方ですね。初めてお会いする気がしません。
前からのお知リ会いみたいな気持ちです」などと井原さんを紹介され 
ユーモアのあるある闊達な司会ぶりに、井原さんは西さんのことを「楽しい方ですね」と
笑っておられました。

終始なごやかな講演となりましたが 本質をついたお話 そして知らなかったことを
大変わかりやすく話してくださいました。質疑応答の時間も1時間もあったので
参加者も満足したと思います。

選挙戦のデマ 誹謗中傷の関しても かなり具体的に教えてくださいました。
(ここには書けません。(笑))
井原さんも見ていないという NHKの選挙をおったドキュメンタリーは NHKも
井原さんが
勝利するというのを前提で撮っていたそうです。それが敗北だったので まだこの映像は
地元以外の人は見る事が出来ないものだったようで貴重なものでした。

井原さんと一緒に 防衛相に会いに行って 新市庁舎の補助金を出してくれるように
頼んだ市議会議長は 選挙になると相手の福田の参謀になって 「艦載機が来るのは
来るのだから お金をもらうチャンス。」とお金お金と言い また前助役を呼んで集
会で 井原さんに任せると経済的に破綻するような説明をさせて 前回井原さんを支
持していた人が福田支持に変っていく様子を番組は映し出していました。

井原さんは それに比べて品性がありますね。井原さんの話をじっくり聞けば 井原さんこそ
岩国市民のことを真剣に考え 借金も減らしてきたことがわかるのに。「返済計画が
しっかりできている借金と赤字は違う」と言われました。また国からのアメですが、
アメの分が他都市より多く岩国に落ちるというのではなく アメが防衛省を通じて防
衛政策費?として落ちるので 
道路や学校への補充金もその中に含まれてしまうというカラクリを話されました。
「何十年も基地があるための補助金がありながら 他の都市より経済的に恵まれてい
ないのは沖縄と同じだ。基地があるから 潤っているなら もうとっくにそうなって
いる。だから政府の言うことは嘘だ」と言われました。

イラク派兵差し止め裁判の判決については 「違憲判決は当然だ。イラクに派兵する
事にも反対だ。議論なしてなし崩し的に派兵するのはおかしい。コイズミの自衛隊の
行くところは非戦闘地域などという発言は欺瞞だ。なし崩し的にやってきたことのつ
けが出た」などと言われました。

映画「貧者の一灯」に出てくる岡田久男さん(新市庁舎募金の会の会長)の「自分はいい
 今は言い、という考え方はいけない。人間らしい生活が送れることが平和ということ。
平和で米を作りたい。自給率を70%にしたい。
戦争のとき 戦争前の父さんのあの笑顔を思い出す、
という『里の秋』という歌が禁じられたが 
こういう歌が歌えるのが平和」などと言う言葉が印象に残りました。
この映画もすばらしいですね。

長くなりました。

木村厚子
 
 
□■市民社会フォーラム協力企画■□
♪ 見て ビックリ! こんなにおもしろい
錦帯橋の裏話

日 時 08年5月10日(土)
         午後2時から 第1回 上映  
         午後3時から 猪谷氏の《解説》
         午後4時から 第2回 上映
 会 場 創造空間BOX1-6
        (堺市堺区市之町東六丁1-24  T/F 072-227-6123 南海高野線 堺東駅から、徒歩8分)  
 岩国市を流れる錦川は、山口県最大の河川。そこに掛けられた錦帯橋は、その美しさと、力強さで、訪れる人々の目を惹きつける。 木造橋としては、日本最大の文化遺産である。
 誰が、この美しいアーチを、思い描いたのか? どんな技術が、これを生み、支えてきたのか?
 錦帯橋のうえに立つと、山の上に立つ岩国城の姿がくっきりと浮かび、錦川が、実は、天然の外堀であることに、気づく。
 天下分け目の、関が原の戦が、この岩国城の創建につながる。 しかし、この城は、わずか七年で、つぶされた。それは、なぜなのか?
城を失った岩国藩―だが、錦帯橋は、城に代わるシンボルとなり、人びとの「心のよりどころ」となった。
郷土を思う先人達の、心・知恵・技は、どのように、受け継がれてきたのか・・・世界的にも、他に例を見ない独創的な構造。  
錦帯橋創建から328年後の、平成の架け替え工事は、どのように?
岩国市製作、『世紀を越えて繋ぐ情熱 岩国藩の歴史そして錦帯橋』(52分)は、
その美しい自然と人とが受け継いだ「岩国の心」を、見事に描いている。 
テレビ新広島のスタッフが生み出したこの作品は、《ありきたりの観光PR映画》などでは、ない。 
 この作品の上映に併せて、錦帯橋の工事では、代々棟梁を務めてきた、
海老崎家11代目の海老崎粂次さんと交流のある
一級建築士・猪谷善久さんが、 《秘話》を語りました。

  またとない機会、になるので、どうか、ご参加を。

 この催しは、「井原勝介さんと考える市民自治」プロジェクトの一環として行いました。

□■市民社会フォーラム第13回映画鑑賞会■□
「米軍再編 岩国の選択」
ドキュメンタリー・98分 西山正啓監督・2006年作品

日時 08年3月28日(金)18時~
会場 Ken Production(神戸市・三宮)
神戸市中央区東町116-2オールドブライドビル6F

 この企画に関連したプレ上映会を開催します。
 2006年3月12日山口県岩国市は、米海軍厚木基地から横須賀を母港とする「空母
艦載機の移駐」を一方的に押し付けようとする政府のやり方に対し、受入の是非を問う
「住民投票」を実施しました。これは米軍再編に関る住民投票では全国で初めてのケー
スになり、移転反対の住民の意思が採択されました。
 この歴史的経過をドキュメントした「米軍再編 岩国の選択」を鑑賞しました。