2010年3月 ROBO-ONE テクニカルカンファレス 12thROBO-ONE テクニカルカンファレンス 12th にて「ポリゴンクラフト」の講演しました。
ROBO-ONE公式ページにて資料公開されています。
講演風景
2009年9月 ROBO-ONE 16thROBO-ONE 16thの予選デモで、「ポリゴンクラフト」を初めて採用したautomo 06(Wakka)で出場。
サンライズ アイデア賞をいただきました。 ※サンライズがROBO-ONEに協賛いただいているのため、ROBO-ONE専用として製作させていただきました。 クリックで拡大。
30分の1 RX-78 ガンダム外装のautomo 06(Wakka)
ポリゴンクラフトとは? 名前の由来とコンセプト
制作の元データとなった、ガンダムの自作のポリゴンデータ。「六角大王Super5」で制作。
ポリゴンクラフトのメリット軽
安
早
巧
デザイン3Dポリゴンデータをつくるためのモデラーソフトとして、私は「六角大王Super5」と「メタセコイア」を使い分けています。
「六角大王」は、脳内のイメージを立体化するのに直感的なインターフェースをもっているのが長所ですが、CADライクな数値入力によるモデリングは”なんとかできる”というレベルでストレスがあります。対して、「メタセコイア」は数値入力機能が充実していて、テキスチャマッピングやパーツの管理機能に優れていますが、若干、インターフェースが馴染まない感じです。
それぞれのモデラーソフトの長所を生かして、「メタセコイア」でムーバブルフレーム(内骨格)のモデリング、「六角大王」でガンダム外装のモデリングと使い分けました。 メタセコイア:パーツデザイン、内骨格(ムーバブルフレーム)デザインメタセコイアを使って、ロボットを構成するパーツをデザインします。 数値入力で、円柱、直方体、持ち上げを駆使して、KRS-40xxHVサーボをモデリングします。
ポリゴンデータから展開図を作成。そこに公開されているKRS-40xxHVサーボの設計図を貼り付けることで、寸法に誤りがないことを確認します。 あとは、近藤科学(ROBOSPOT)、イトーレイネツ、メリッサのブラケットを、デジタルノギスで採寸しながらモデリングします。 これで、内骨格(ムーバブルフレーム)のデザインが完了です。右から、メリッサ、イトーレイネツ(ダブル膝)、マーキュリーのフレームで組み上げた脚になります。高価な3D-CADを使わなくても、かなりいい線までできている気がします。
六角大王Super:外装デザインつづいての外装デザインは、手に馴染んだ「六角大王Super」 を使います。
メタセコイアからプラグインを利用し、六角大王形式でエクスポート。そのデータを六角大王でインポートします。このとき50%でインポートしておかないと、六角大王の作業限界を超えてしまいます(そのため、ペパクラデザイナーで取り込むときは200%で取り込む必要があり) ペーパークラフトでは、面の幅が2mm以下だったり、また面数が多すぎると、手加工で折ったり接着するのが非常に面倒になるので、ガンダム外装はかなり面数を減らして製作する必要があります。そのため、ゲームプログラミングでいうところの、ポリゴン数を減らしつつ元の造形を崩さないモデリング技術「ローポリ・モデリング」を駆使してつくります。ローポリは、CPUやグラフィックボードに負荷をかけないためにもちいる技術で、PS2とDSのドラクエのグラフィックの違いといったらわかりやすいか? ローポリ・モデリングに関する参考書はこちら。表紙はアレですが、内容としては良書です。
樹脂化ペーパークラフトペパクラデザイナー部位ごとにファイル分割した六角大王データを、「ペパクラデザイナー」にインポートして、自動展開。A4用紙に納まるように、展開図の面の分解・結合・回転・移動で少し手直しします。
胸部パーツを展開した図。
ペパクラビューワCraftRobo対応版「ペパクビューワーCraftRobo対応版」を操作して、インクジェットプリンタで「ペーパークラフト用紙 光沢あり厚紙」に印刷します。後工程のため3つ角に”トンボ線”が印刷されています。
印刷した紙を粘着性のある「台紙」にのせて、カッティングマシン「CraftRobo」にセットします。さきほどの”トンボ線”を基準にセンタリングを実行。カットだけでなく”折り目”をつけてくれます。 台紙からペラっと剥がします。 ここから「折り紙」作業に入ります。 以下、実家の師匠に教えてもらったペーパークラフトのテクニック。
ペーパークラフト完成。
どんぐりコロコロ:樹脂化ペーパークラフトガンダムのペーパークラフト外装の「折り」を完了しました。次は「どんぐりコロコロ」で樹脂化です。
樹脂化ペーパークラフト完成。
立体化したペーパークラフトの背面からエポキシ樹脂「どんぐりコロコロ」を筆塗りして乾燥させます。エポキシ樹脂を塗ってすぐは、「ネコの手」で挟んで中空にうかせたり、「EXシート」(胸部とかスネ部が載ってるトコ)という硬化性樹脂を剥離しやすいシートの上にのせて2時間~4時間程度乾かして、「半乾き状態」になったら新聞紙の上に置いてさらに半日くらい乾かします。 輪ゴムやマジックテープを使って、樹脂化ペーパークラフトを内骨格(ムーバブルフレーム)に取り付けます。 3Dプリンタ樹脂化ペーパークラフトより強度を求める場合は、HotProceedが販売開始した「CupcakeCNC」という3Dプリンタで出力することをおすすめします。
今までのDimensionなどと比べると装置・材料・ランニングコストともに非常に安価で製作可能です。 六角大王Super:ヘッドのパーツ分割
CupcakeCNCBlenderを中継してSTLデータ変換してから、CupcakeCNCで出力します。 今回は2mm厚で製作しました。 樹脂ガンダムヘッドに、塗装したもの。目と両耳とヘッドカメラの部分はペーパークラフトをシールのように貼り付けています。
表面の「磨き」にこだわれば、右側のようにツルツルに仕上げることもできます。
コラムコラム1:キャンバスのようなロボットとガンダムという素材 「ポリゴンクラフト」は、パソコン上で3DCGデザイン検討、着色はインクジェットプリンタで印刷、ペーパークラフトで現物あわせ、破損してもすぐに再生産、強度が欲しければCupcakeCNCで3Dプリント、工具や材料が安価、そして外装製作に不慣れかつ忙しい人向けの工法として提案しました。
そして以前のエントリーにも書いた「キャンバスのようなロボット」を実現するためのものでした。
というか、紙でできているなら「キャンバスそのもののロボット」といってもいいですよね。
ROBO-ONE 16thにむけての日々の製作はまさしく画家か彫刻家という気分でした。
モチベーションをあげるという点で「ガンダム」という素材を選んだのもよかったと思います。今年は”ガンダム生誕30周年”ということもあり、この夏は雑誌・テレビでガンダムのことを耳にしない日はなかったし、その”お祭り”の一員としてROBO-ONEを盛り上げ、サンライズの井上さんを驚かすという明確なビジョンもありました。 さらに日々automo 06(Wakka)がガンダムらしくなっていく(それも迫力の30分の1)さまを見るたびに、「ようやくコレがつくれるようになったんだ」という感慨もありました。 そしてオートモ・ガンダムが完成すると「ここまでガンダムがつくれたんだから、オリジナルデザインもできる」という自信もつきました。
そうそう、ガンダムというタイムリーでメジャーすぎる素材ゆえ、製作中の写真を一部公開するだけで即ネタバレでしたので、表ブログではまったく書けませんでしたねえ。さらに残念だったのは、お台場ガンダム(1分の1)と、オートモ・ガンダム(30分の1)でツーショット写真を取れなかったことでしょうか。だって、周りの目があるから絶対に隠せないでしょう?
今後は提案した「ポリゴンクラフト」のアイデアを、模型に詳しい方がもっと発展させて「誰でももっと簡単につくれるロボット外装」まで高めて欲しいと思う次第です。私がもっと楽したいので(^_^;) とりあえず、バトル以外のロボットの多様性を示せたと思います。 コラム2:アンタッチャブル二足歩行ロボットは多様なモーションを行えるよう多関節になっていて、それなりにパワフルなモーターを利用しているのと、剛性を高めるためにアルミフレームを採用しています。
そのため、作業中に指を挟み込んだりしやすいため、不慣れな方や子供たちには触らせられないアンタッチャブル(UnTouchable)な存在です。 しかしながら、「ポリゴンクラフト」の”樹脂化ペーパークラフト”という柔らかい外装をとりつけ、挟み込みしやすい場所をカバーして指が入らないようにすると、かなり緩和されます。
この動画でも子供たちに直接触ってもらっています(不慮のときでも対処できるよう、ちゃんと気をつけてます) 展示会などで一般のお客さんにみせると「外装で覆われていない部分がある」=「完成していない」という印象をもたれやすい。
逆に、外装で覆われているというのは、完成度の高さ、を印象付けることができるようです。 書籍紹介メタセコイア 「ローポリスーパーテクニック」 ntty著 ソフトバンククリエイティブ
六角大王Super 「六角大王虎の巻 スーパーユーザー指南」 六角大王モデリング研究会著 ラピュータ
諸々 「CGモデリングバラエティ―」 ワークスコーポレーション
|

















