クリプトスポリジウム感染症

クリプトスポリジウムは原虫類と呼ばれる寄生虫の一種でヒトを含む様々な動物に感染する寄生虫です。クリプトスポリジウム属には色々な種があり、種類により感染する動物が異なります。

爬虫類オーナーの間ではよく知られている寄生虫症で、Cryptosporidium serpentisは主にヘビ類に感染、 C. saurophilumはトカゲ類に感染します。爬虫類で見られるこれら二種については人への感染はないと考えられていますが爬虫類同士では容易に感染していきます。

主に消化管に寄生し慢性的な下痢や嘔吐を起こすため栄養不良・脱水症状・出血性腸炎により痩せ細っていく病気です。病状が悪化し寄生虫の排出量が増加すると糞便検査や抗酸染色で見ることができますが、感染初期では検出困難なためPCR検査を行うこともあります。

現時点では治療により一時的に症状が改善することはありますが有効な治療法はなく治療困難な病気の一つです。また頑丈なカプセルに包まれており、消毒薬にも耐性を持ち生体外でも長期間存続するため感染が成立すると排除が非常に困難なため複数の爬虫類を飼育している場合は注意が必要です。