難産!こんな時は病院に連絡しましょう。
・腹部の収縮(陣痛)が30-60分継続しても子犬が産まれない
・4時間経過しても次の子犬が生まれる様子がない
・あらかじめ検査で確認した子犬が全て生まれない
・体温の低下から24時間以内に出産が始まらない
・妊娠期間が70日を超えている
・その他激痛や明らかな体調不良が疑われる場合
犬の妊娠と出産前の準備
繁殖をする場合、母犬の体重管理や体調管理を行い妊娠前に適切な体調を整えます。またワクチンや各種予防もすませ、初乳に十分な免疫が含まれるようにします。一方妊娠中のワクチン接種はワクチンの種類により気をつける必要があります。その他外部・内部寄生虫の駆除なども済ませましょう。
妊娠中の犬ではだいたい35日目から必要なカロリーが増え始め通常の2倍程度になります。産後の授乳期の目安は通常の3倍程度です。単純に給餌量を増量することもできますが、子犬用のフードを使用することで急激な増量をせずバランスのとれた栄養を摂取することができます。バランスのとれたドッグフードを給仕している場合、余計なサプリメントは控えましょう。(カルシウムサプリなどは妊娠中毒症の原因になることがあります。)また過度に食べさせる必要はありません。妊娠約1ヶ月までは特に運動制限はありませんが、その後は激しい運動は控えます。
妊娠の診断は25日目以降、超音波検査が可能ですが正確な子犬の数の把握は困難です。45日以降はレントゲンで子犬の数を把握することができます。 レントゲン検査以降は同居の犬と別にし、静かで落ち着ける場所を用意します。 妊娠期間は一般に63日を目安としますが58−68日程度の個体差があります。 予定日付近では直腸温が37.7以下に下がると24時間以内に出産が始まる可能性が高くなります。
Stage 1 前駆陣痛
落ち着きがない、うろつく、穴を掘る仕草、震え、呼吸が荒い、嘔吐などの症状が見られ、6-12時間継続しStage 2に移ります。
Stage 2-3 出産-胎盤排出
子犬が産まれたら母犬は包まれている羊膜を取り除きます。出産後1−2分以内にこのような母親の行動が見られない場合は手で膜を取り除き清潔なタオルで子犬を拭きます。特に鼻腔や鼻の周りに付着しているものを取り除き呼吸ができるようにします。 へその緒を子犬の腹部から2−3cmのところで結び、結び目よりさらに2cm以上開けてハサミなどで切断します。 胎盤や膜は母犬が食べることがありますがその後嘔吐することも多いので早めに片付けても良いでしょう。
平均では45-60分毎に強い陣痛(10-30分)とともに産まれますが1匹目の出産後、次の陣痛が開始するまでしばらく休止状態が続くことがあります。(最高4時間)
難産のサイン
・腹部の収縮(陣痛)が30-60分継続しても子犬が産まれない
・4時間経過しても次の子犬が生まれる様子がない
・あらかじめ検査で確認した子犬が全て生まれない
・体温の低下から24時間以内に出産が始まらない
・妊娠期間が70日を超えている
・その他激痛や明らかな体調不良が疑われる場合
Stage 4 産後
出産後24-48時間母犬の体温は上昇する傾向にあります。また産後の排出物は緑・茶・レンガ色・血液色ですが通常は強い悪臭はありません。排出物は少しずつ減少しながら8週間ほど継続することがあります。
産後に注意すべき症状
・48時間以上継続する発熱
・分泌物の悪臭
・落ち着きがない
・食欲不振
・子犬に興味を示さない
・授乳できていない
・乳房が腫れて硬く色が赤いまたは紫色
・歩行がぎこちないまたは異常
・筋肉の震え
・立てない
・発熱
・けいれん