店が開店していることの意味を痛感
3月30日から4月1日まで、薬剤師派遣についての調整のため、福島県薬剤師会と宮城県薬剤師会を訪ねた。
福島県薬剤師会には、厚生労働省からの急遽の依頼があり、マツモトキヨシホールディングスの薬剤師1名と、ドラッグぱぱすの薬剤師1名、計2名の薬剤師の方と同行し、福島にある原発地区住民の避難所への薬剤師派遣を行なうための訪問であった。
続いて宮城県薬剤師会の訪問では、薬剤師派遣のための細かな手順や留意事項などの打合せを行ない、JACDS勤務薬剤師の本格的派遣を行なう内容が固まった。(詳しくはJACDS支援サイト「薬剤師派遣について」をご覧いただきたい)
その後、テレビ等でも報道された被災地区、仙台市若林区と名取市を視察した。その想像を絶する光景には、言葉を失ったほどである。
福島市や仙台市内などは、だいぶ改善されてきたガソリンの供給も、被災地区ではどこのガソリンスタンドでも、まだ50~100台の自動車が列をつくっていた。
この被災地区には、全国に展開しているコンビニエンスストア各店舗、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、デイリーストア、ミニストップなどが数多く出店している。だが、店のオープン状況を見ると、セブンイレブンが7~8割、デイリーが5割前後、ファミリーマートが3~4割オープンしていたのに対し、ローソン、ミニストップに至ってはほとんど閉店のままであった。
この数値は正確な数値ではなく、見た感覚ではある。しかし、オープンしている店においては、商品が2~3割しか無いにもかかわらず、多くの人が来店していたのが印象的であった。
店を開店して良いか否か、当局の検査許可が必要のようだが、開いている店舗は、まるで「街のオアシス」のようであった。セブンイレブンの配送車が来ていたが、本来なら、これだけ欠品しているのであれば大量の商品を搬入するところだろうが、物資不足のためわずかな商品の納品となっていた。それでも店舗も配送車も、採算度外視で「街のオアシス」という役割を、何とか果たそうとしている姿が痛々しかった。私はここに、地域における店舗の本質や有り方を見た様な気がする。
近年、ローソンの社長や商品が何かとマスコミで取り上げられ話題になっており、このたびの被災地支援でも正義の味方のような報道を目にした。確かにマスメディアの使い方は、最近のローソンの方が一枚上なのかもしれない。
しかし、店は地域のものであり、地域と共に生きていくものである。この仙台市の若林地区でのセブンイレブンの姿に、パフォーマンスではない真の小売企業としての理念を感じたのである。
私たちのドラッグストア店舗についても同様で、すでに地域のインフラとして存在している。この被災地区において、店が無くなるような大被害を受けている企業や店舗もあり、深い悲しみを感じる。
しかしその一方で、地域の方々に「街のアオシス」であるドラッグストア店舗を何とかオープンさせようと、力強くかつ懸命に努力を行っている企業や店舗もある。商品も少なく、従業員の確保もままならない状況の中での奮闘であり、胸を打たれる。
JACDSもそうだが、有力なお取引き企業も、現在この被災したドラッグストア店舗の復旧活動に全面的な支援を繰り広げており、関係者の努力に頭の下がる思いである。
翌日、風評被害で「陸の孤島」となっていた福島県いわき市のマルトさんを訪ねた。ここでも「街のオアシス」を復活すべく懸命な努力をしておられた。
店の存在が、地域にとってどんなに心強いものか、頼りにされているのか、これほど強く感じたことは無かった被災地の視察であった。
(リポート:宗像)