フランス日本研究学会(Société française des études japonaises)は、フランスにおける日本学を代表する唯一の総合的な学術団体です。フランスにおける日本学の連続性を保障し、学術交流、テーマ開発、後進の育成、日本で活動している研究者との交流などを活発に行なっています。 フランスの大学や研究所等の高等教育研究機関で日本研究にたずさわる教職者、研究者、大学院生などのほぼ全員が会員になっています。日本学研究者の総意に基づいた運営が行われ、公共性の高い団体だと言うことができます。 当学会は1991年の学会の再編成以来、フランス内外(日本を含め、ヨーロッパ、米国)で、大学、研究所、学会との連携を深めてきました。当学会の公共性は、国際交流基金からの資金援助のおかげで遵守されています。 学会の主要な活動は具体的には以下の通りです。 — フランス日本研究学会会報(年一回)の発行。 — 年次総会の開催(毎年十二月。隔年の研究大会に当たる年は、その会期中に行なう。そうでない年は、総会とタイアップして日本から招聘した研究者の講演をおこなう。) — 全国で日本学と関わる博士論文を執筆している学生の中間発表会。執筆中の論文の内容を論文の指導教官以外の専門家や他の学生と話し合うことで、論文の視野を拡げることを目標に、2009年12月に第一回が組織されます。 — 本学会のインターネットサイトによる日本研究に関する様々な情報提供(http://www.sfej.asso.fr) — フランスやヨーロッパ諸国における日本研究に関する最新情報(会議、講演、セミナー等の開催、教職者、研究者募集等)を学会会員にメールにて発送(平均月二回)。 — 国際学術会議(隔年)の開催。
事業実施の必要性と背景 隔年に開催される本学会の国際大会は、フランスでの日本研究にとって必要不可欠な場となっています。会員が所属機関や世代の枠を超えて互いの研究を評価しあい、時には手厳しい批判をかわしながら、日本学研究者として鍛錬を積むための大変重要な役割を果たしています。本大会での発表により、 博士論文執筆者やポストドクターが日本研究の専門家として評価され、訓練されていく一方、経験を積んだ研究者も自分の最新研究を広く紹介したり、各セッションの責任者として発表レジュメ選考から論文の校正までの作業に関わったりすることで、日本学振興に建設的に参加することができます。 フランスにおける日本研究の柱と言っても過言ではない本大会には毎回200人から300人の聴衆が集まり、50件以上の報告発表があります。前回の第8回大会は、リールという地方都市で開催されたにも関わらず、59件の報告がありました。 日本学の研究人口の増加にともない、この十年程は、内容が拡散しすぎたり、パネルが多すぎて聞きたい報告が聞けなくなったりする不便を回避し、新しいテーマを発掘するダイナミズムを生み出すためのさまざまな工夫がなされてきました。2002年、2004年、2008年は、特別シンポジウムの開催により、一つの代表的テーマを掘り下げて活発な知的交流の促進をはかりました。とりわけ前回は、日仏交流150周年記念の一環として近代化をめぐるシンポジウムを初日と最終日に開催し、大きな成功を博しました。 現在まで、会議録は論文として加筆修正された上で、「Japon Pluriel」(ジャポン・プリュリエル:複数の日本)と題して出版されています。出版社はPhilippe Picquier(フィリップ・ピキエ)社で、過去に既に七巻発行しています。前回の学術会議(2008年)の会議録も「Japon Pluriel 8」として2010年に公刊される予定です。本学会の活動が持続して、着実に進行していることのあらわれと言えるでしょう。 |